ニケ、君はどこへ行ったのか。
8月の終わりに、暑さのせいか、急に食欲をなくしやせ細っていったが、それでも気丈に日々を過ごしていただろう。
あるじがいつになく缶詰のご飯を買ってきたので、これは、という感じだった。
水曜日の夜、こっそりと抜け出した後に付いてきただろう。そのときにはすでに立つのもやっとの様子だったが、一緒に初秋の夜を過ごすことができうれしかった。
翌朝、少し遅れて帰宅したようだが、台所で身体をいざらしながら、苦しみに耐えていた。がんばっていたな。
金曜日の朝、台所で寝ていたはずの君を取り巻いて家人は涙していた。メールで知らせを聞いた子どもたちもそれぞれに悲しみをかみしめていたようだ。
君は静かに旅立っていった。
段ボール箱に入れられ静かに眠る君を遠めで見るしかなかった僕をゆるしてほしい。あれから、ぽっかりと空いた穴を埋めるすべが見つからず、鳴き声をたててみたり。
ふらっと外にでても、すぐに帰ってきてしまうんだ。
君はどこへ行ったのか。
家人は天国へ行ったことを堅く信じている。僕もそう信じて残された時間を過ごすことにしよう。しばらく待たせることになるが、何のことはない。天国では永遠に生きるのだから。数年などはわずかなことだ。
君との再会を待ち望みつつ。
かつて家族を失った僕にとって君は最高の友だった。
2012年9月15日(土)朝
ジジ