あなたは人殺しをしたうえに、奪い取ったのか

静まりの時

  • テーマ:公平と正義
  • 聖書箇所:第一列王記21・15~19
  • 日付:2026年08月19日(水)

17 そのとき、ティシュベ人エリヤに次のような主のことばがあった。
18 「さあ、サマリアにいるイスラエルの王アハブに会いに下って行け。今、彼はナボテのぶどう畑を取り上げようと、そこに下って来ている。
19 彼にこう言え。『主はこう言われる。あなたは人殺しをしたうえに、奪い取ったのか。』また、彼に言え。『主はこう言われる。犬たちがナボテの血をなめた、その場所で、その犬たちがあなたの血をなめる。』」

アハブ王は、イスラエルの王としてこれ以上ないほどの悪を行った王でした。その妻イゼベルがそそのかすままに主の目に悪であることを行ったのです。

アハブ王は自分の土地の隣にあるナボテが所有する土地がとても素晴らしい土地だったので手に入れようとナボテに交渉しました。代替地としてもっと良いぶどう畑を与えるし、相当の代価も銀で支払うと提案しました。しかしナボテは先祖からのゆずりの地を手離すなどあり得ないことです、と丁重に断ります。それでアハブ王はふさぎ込むのですが、アハブ王の妻イゼベルにそそのかされてナボテを殺害し土地を手に入れようとしました。

そこに預言者エリヤが主から遣わされ主の言葉が語られました。「あなたは人殺しをしたうえに、奪い取ったのか」。

アハブ王はこのエリヤから語られた主の言葉を聞くと、すぐに悔い改めました。そのアハブの態度を見た主はアハブを赦されます。しかしアハブの子孫にはわざわいを下すと語られました(27~)。

ナボテが殺される前に主には介入していただきたかったところですし、悔い改めたとはいえアハブ自身にさばきが下されないことも釈然としませんが、それはそうとしてこのアハブとイゼベルの行動はいまも世界の権力者の多くを支配している考え方です。

幸徳秋水はその著で、「大帝国の建設は、人を切って物を奪い取る『切取強盗』のふるまいそのものではないか」(幸徳秋水、『二十世紀の怪物 帝国主義』、山田博雄訳、光文社、2015発行)と語っています。 現在も行われている戦争はすべてアハブのやった切取強盗と同じなのではないかと思えてきます。