魔女

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「神父さま。私に隣人がおります。そのひとは魔女です。私に魔法をかけるのです。私はどうしたらよろしいでしょうか」。

「私は既に70年も、このすてきな地上に生きてきました。今まで、悪人に会ったことがありません。自分以外にはね。それなのに、魔女がいるなどといわれるのかね」。

イオアーン神父、『魂への配慮の歴史12』,270ページ

1947年にレニングラードで生まれたタチアーナ・ゴリチェーヴァはレニングラードの大学で電気工学と哲学を学びますが、ひそかにドイツの哲学者のマルティーン・ハイデッガーと文通し、26歳でキリスト者となります。1979年にソ連で初めての婦人運動を組織し、その翌年(モスクワ・オリンピックの年)にレニングラードを追い出され西ヨーロッパに強制移住させられました。ドイツに亡命後を見いだしたあとパリに行き宗教著作家として名声を得ました。ソ連体制崩壊後、再び何度もロシアで過ごしそこでなお苦しむ人々を助けようと努力するようになりました。

このタチアーナがプスコフ近郊のペチュコリイ修道院の師父イオアーンについて語った言葉の中の一節で、イオアーン神父に質問するひとりの人の言葉とそれにこたえるイオアーン神父の言葉です。

つねづね「この人は魔女だ」とか「この人は悪魔だ」という言葉には注意しなければならないと思っていたのですが、イオアーン神父のこの言葉には考えさせられます。「この人は魔女だ、悪魔だ」という人は「自分が悪人である」ということがおおよそ分かっていないのですね。

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