角川書店、平成2年(1990年)3月10日初版発行
(単行本)朝日新聞社、1988年8月刊行
「定子は善朗を婿にして八年後、早くも夢さめて、親しい女友だちに後悔の愚痴をこぼした。」
(37ページ)
夫婦は一生かかって夫婦になると誰かが言われました。それは日々相手の良いところを発見していく歩みでもあります。
相手の能力や賜物を自分の人生に利用することが目的の結婚は長続きしません。期待した能力や賜物はいつかなくなってしまうものかもしれません。なくなってしまえば結婚の意味が見失われてしまいます。
愛するということに理由があると、それは愛でなくなる、という風なことを椎名林蔵が何かに書いていました。少なくとも、相手の能力や賜物を自分のために利用しようという思いは愛ではありません。やがて大なり小なり問題が起こります。
そうすると一生かかって夫婦になるということは、一生かかって理由のない愛をはぐくみ育てていくということかもしれません。
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