詩篇103編の詩人は自分自身に「主が良くしてくださったことを何一つ忘れるな」と命じます。私は自分のことが問われているように思いました。
私は忘れてばかりです。同時に、失敗したことや傷つけられたことなどは、忘れたくても忘れられない、そのことにも気づかされました。
何一つ忘れないのは、実際には不可能です。「主が良くしてくださったこと」に気づいていない場合もあります。問題はどれだけ覚えているかではありません。何を大切に覚えて生きていくのかが問われているのです。そして、私たちが忘れないように覚えるのは、神さまがよくしてくださったことです。それは、私たちにとっては、何よりも主イエス・キリストによる救いです。
詩人は過去に神さまがよくしてくださったことを思い起こしているだけではありません。過去によくしてくださった神さまが、今もこれからも、変わらずによくしてくださることを確信しているのです。そして、詩人がそう確信するのは、神さまの約束である恵みに生かされているからです。「とこしえからとこしえまで」の恵みです。
忘れてもよいこと、忘れなければならないことに縛られやすい私たちです。詩篇103編はそんな私たちに語りかけます。「主が良くしてくださったことを何一つ忘れるな」。
私たちすべてのために、ご自分の御子さえも惜しむことなく死に渡された神が、どうして、御子とともにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことがあるでしょうか。(ローマ人への手紙8章32節)