詩篇の祈りに導かれて(77)(週報2026年3月22日号)

 詩篇77編の詩人は苦難の中で神さまに向かって必死に叫びました。その叫びの中で目につくのは「私」という言葉です。「私は」、「私が」、「私のたましいは」、「私の霊は」、「私のまぶたを」、「私の心は」、「私の歌を」。詩人は、神さまに向かって叫んでいるにもかかわらず、自分自身にこだわっているのです。そして、決して変わることのない神さまの恵みを見失ってしまいます。

 しかし、その詩人の言葉が大きく変わっていきます。詩人の目が神さまへと向けられることになったからです。「私は 主のみわざを思い起こします。/ 昔からの あなたの奇しいみわざを思い起こします」。

詩人が思い起こすのは出エジプトという救いのみわざです。神さまが、海の中に乾いた道を造り、ご自分の民を導き出されたみわざです。そして、その出エジプトのみわざを思い起こしながら、詩人は神さまのことを親しく「あなた」と呼ぶのです。神さまが具体的な救いをもたらしてくださったからではありません。詩人は、出エジプトのみわざを思い起こしながら、神さまへの信頼を取り戻したのです。

 出エジプトという救いのみわざは、主イエス・キリストによって完全なかたちで成し遂げられました。イエスさまこそが、罪の中にある私たちのために、救いの道を開いてくださった救い主です。そして、私たちが思い起こすのは、そのイエスさまによる救いのみわざ、十字架の死と復活のみわざです。

わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。(ヨハネの福音書14章6節)


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