「さまざまな苦しみを、涙で洗い流すのはいい方法だと田岡は思った。小谷にはそれしか方法はない、」
高村薫(はしご高)、『地を這う虫』、「愁訴の花」、58ページ
妻殺しで7年間服役した元刑事小谷の謎に、すでに退職した元同僚の田岡が迫ることにります。
苦しみは解決したり乗り越えたりするのですが、ここでは「涙で洗い流す」のです。解決することも乗り越えることもできないような苦しみがあります。もともと苦しみそのものはどうすることもできないことなのかもしれません。
涙で洗い流すこと。洗い流された苦しみは神さまの元に行くのです。十字架の主の元に行くのです。洗い流されたらまた一から出直しです。
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