恋する男は愛する女性その人を欲するのです

エロスなしの性欲は、そのものずばりを欲するのですが、エロスは愛する人の全体を欲するのです。
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街を徘徊する好色な男について、しばしば<女を求めて>ほっつき歩くといった言い方をしますが、これは不幸な誤解を招く言回しです。厳密に言うなら、彼は女性を欲してなどいないのです。彼が欲しているのは、女性がたまたまそのために必要な道具である快楽に過ぎません。
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エロスに動かされている男性は単なる女性をでなく、特定の女性を欲します。いわくいいがたい、しかしまったく議論の余地のない願望に駆りたてられて、恋する男は愛する女性その人を欲するのです―

『影の国に別れを告げて―C.S.ルイスの一日一章』、中村妙子 訳、253-254頁

2019年6月27日(木)

神さまが与えて下さった愛の中には、このエロスの愛も大切な部分として存在しているのでしょう。人間がその限界の中で愛に生きようとするとき、エロスの愛は大切な役割を果たすのです。
私たちはアガペーとエロスとを対極に置き二元論的に考えてしまっているときのエロスとは、もしかしたらルイスの言うところのエロスなしの性欲を指しているのかもしれません。
ちなみに蛭沼寿雄訳ではエロスは「恋愛」と訳されています。

「日中を歩むように、品位をもって歩もうではありませんか。酒宴と酩酊、淫乱と好色、争いとねたみを捨て、主イエス・キリストを身にまといなさい。欲望を満足させようとして、肉に心を用いてはなりません。」(ローマ13・13,14)