私の父ダビデに約束されたおことばが堅く立てられますように

静まりの時 第一列王記8・22~26
日付:2023年07月12日(水)

今、イスラエルの神よ。どうかあなたのしもべ、私の父ダビデに約束されたおことばが堅く立てられますように。
(第一列王記8・26)

 神殿が完成すると、ソロモンは全会衆の前で神さまに祈りました。
 「イスラエルの神、主よ」で始まるこの祈りは、「あなたは・・・」という言葉が繰り返されます。

あなたは、心を尽くして御前に歩むあなたのしもべたちに対し、契約と恵みを守られる方です。(23)
あなたは、あなたのしもべ、私の父ダビデに約束したことを、ダビデのために守ってくださいました。(24)
あなたは御口をもって語り、また、今日のように御手をもってこれを成し遂げられました。(24)

 あなた、すなわち神さまはどのようなお方であるのか、何をなしてくださったのか、を祈るのです。祈りはまず神さまに心を向けることです。

 祈るとき、祈らざるを得ない時、というのは、自分が抱えている問題、置かれている状況が、あまりにも大きくまた過酷でどうしようもなくなってしまったときが多いのではないかと思います。ですから祈り始めると、すぐに自分の願い、苦しみ、悩みが唇から出てきます。しかしそのように自分に向かうのではなく、まず神さまに向く、心を高く上げる、自分や自分の置かれている状況から目を離して、ひたすら神さまに向かうのです。自分自身や自分の置かれている状況はそのままにして、ありのままに神さまに心を向けていく。それが祈りなのだと思います。

 神さまがどのようなお方であるのかが告白されたあとでいよいよ願いが祈られます。

そこで今、イスラエルの神、主よ。あなたのしもべ、私の父ダビデに約束されたことを、ダビデのために守ってください。(25)
『あなたがわたしの前に歩んだように、あなたの子孫がその道を守り、わたしの前に歩みさえするなら、あなたには、イスラエルの王座に就く者がわたしの前から断たれることはない』と言われたことを。(25)
今、イスラエルの神よ。どうかあなたのしもべ、私の父ダビデに約束されたおことばが堅く立てられますように。(26)

 意味としては単純に祝福してください、ということだと思いますが、それを「ダビデに約束されたことを、ダビデのために守ってください」と祈っています。また、かつてダビデが神さまから語られた言葉(詩篇132)、そしてダビデが遺言のようにソロモンに伝えた言葉(第一列王記2・2~)を引用します。そのうえで再び「ダビデに約束されたことを、ダビデのために守ってください、と祈っています。

 私を祝福してください、ということを、神さまご自身がダビデに語れた約束の言葉を、ダビデのために守ってください、と祈っているのです。

 私たちも祈るときには、最後に「主イエス・キリストのお名前によって」と祈ります。それは、この祈りが聞かれること、その根拠が私にではなく、神さまにあることを告白しています。私が立派で確かな信仰を持っているので、この祈りが聞かれる、というのではないのです。祈りが聞かれるのは、ただ主イエスさまの一方的な愛によるものである、と告白しているのです。そしてただ私の願いや願望が実現するようにと祈るのではありません。「ダビデに約束されたことを」とのソロモンの祈りのように、私たちも、神さまの御心、神さまの御約束が成りますように、と祈ります。

 自分から目を離し、その目を天に向け、神さまの御心がなりますように、と祈ること。それは委ねることだと思います。そのように祈ることのできる私たちはなんと幸いなことでしょう。
 今朝は快晴。窓を開けているのですが、さわやかな風が牧師室に吹いています。豪雨の被害によって苦しみの中におかれている方々のことを覚えて祈りたいと思います。そろそろ梅雨も明けるのでしょうか。

 昨日、撮りためたビデオのなかから、NHKスペシャル「失われた時をこえて ~“認知症家族の3年~”」を観ました。教会に仕えてこられた牧師の吉田さん。その吉田さんを支え続け教会に仕えてこられた奥さま。奥さまの認知症が進行する中でやがて施設での暮らし。そしてコロナ禍。苦しみの中でつづられた文章が他の人びとを励ましていく。百万人の福音にも連載されました。

多美子さん
「お父さん、私はお父さんのことを忘れてしまうと思うけど、忘れたらごめんね。忘れてしまったらもうお父さんと別れてしまうことになるんかな」

吉田さん
「お母さん大丈夫やで。あなたがぼくを忘れても、ぼくがあなたを覚えているから」

 印象的な言葉でした。私が忘れても、あなたが覚えていてくださる。

 神さまは、私たちが忘れてしまっても覚えていてくださることとも重なりあう言葉のようでした。

https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pKoZZlJBDq/

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230609/k10014090231000.html