「その愛があまりに深いがゆえに、神は自由意志という贈りものまでわれわれに与えてくださいました。」
(ポール・モーガン、『ペラギウス・コード』、90頁)
「『われわれには、善を行なうことを選び、互いに愛し合うことを選ぶ能力が与えられています。それを自分で望み、意図することができるのです』とペラギウスは勝利を宣言するかのように力強く言い放った。」
(前掲書、93頁)
マクグラスのキリスト教神学入門によると
「ペラギウス主義のエートスは『功績による救い』とまとめられよう。一方、アウグスティヌスは『恵みによる救い』を教えた。」
(A・E・マクグラス、『キリスト教神学入門』、訳・神代真砂実、教文館、2002年1月25日発行、52頁)
ということで、ペラギウス主義は、カルタゴ会議(418年)において異端とされた神学です。その異端とされた主義の名称になることとなったペラギウスさんについての小説が、この『ペラギウス・コード』(原題は、”THE PELAGIUS BOOK” by Paul Morgan)です。
アウグスティヌスが糾弾したペラギウス主義は、神さまの恩恵を小さくしてしまい、人間の業が強調される思想で、確かに異端とされても仕方のないものですが、果たしてペラギウス自身が唱えたのは、本当にアウグスティヌスが糾弾したような思想であったのか、それは分からないのかもしれません。
どこかアルミニウス主義に立つ今日の日本の福音派教会のなかには、ペラギウス主義ではないか、と思えるような発言や行動もあるようですから、今一度カルタゴ会議の意義を学ばなければならないのかもしれません。