動画(43分18秒)
聖書 ピリピ人への手紙2章19節〜30節
説教 「励まし合う共同体」
説教者 高橋 博師
今月の聖句
詩篇123篇1節〜2節
主は私の羊飼い。私は乏しいことがありません。主は私を緑の牧場に伏させいこいのみぎわに伴われます。
今週の聖句
ローマ人への手紙15章5節〜6節
どうか、忍耐と励ましの神があなたがたに、キリスト・イエスにふさわしく、互いに同じ思いを抱かせてくださいますように。そうして、あなたがたが心を一つにし、声を合わせて、私たちの主イエス・キリストの父である神をほめたたえますように。
創世記からの黙想 創世記44章
ヨセフ物語のクライマックスです。エジプトに買い出しに行った穀物はすぐに尽きてしまいました。父ヤコブは再度エジプトに穀物の買い出しに行くことを命じます。弟ベニヤミンを同行しなければエジプトに行けないことをユダの説得でヤコブは渋々承知して二度目のエジプト行となりました。ヨセフは20年ぶりで懐かしい兄たちや弟ベニヤミンと再会していますが、ヨセフはまだ身分を明かしていません。ベニヤミンに五倍の食事を与え、兄たちの袋に穀物を一杯に詰め、銀も返却してイスラエルへ送り返しました。ヨセフはしもべに命じて自分の愛用の銀のコップをベニヤミンが盗んだかのようにベニヤミンの袋に入れておきました。彼らが帰途につたとき、ヨセフのしもべは追いついて、なぜご主人様の銀のコップを盗むのか、と尋問しました。袋を調べるとなんとベニヤミンの袋からコップが見つかりました。兄たちはベニヤミンを見捨てて帰ることをせず、一同エジプトに引き返しました。「神がしもべどもの咎をあばかれたのです」(16節)とユダは告白しています。「杯を持っているのを見つかった者だけが、私の奴隷となればよい。ほかのおまえたちは、さっさと父のもとに帰るがよい。」とヨセフは命じています。20年前、お前たちは、無慈悲にも自分の肉親の弟を見捨ててエジプトに売り飛ばしただろう。裂かれて血の付いた衣を見せる偽装工作をして悲しむ父を欺いただろう。心の中でヨセフを偏愛した自業自得の罪だと父ヤコブに冷たく言い放っただろう。今回も、ベニヤミンを見捨てて家に帰ったらよかろう。父が悲しんだら、以前と同じように適当に偽装工作をして父を欺いたらいいだろう。過去の罪を再現して罪を直視させています。この時、兄のユダが必死にベニヤミンの執り成しをします。「どうか今、このしもべを、あの子の代わりに、あなた様の奴隷としてとどめ、あの子を兄弟たちと帰らせてください。あの子が私と一緒でなくて、どうして私は父のもとに帰れましょう。私の父に起こるわざわいを見たくありません。」(33節)命がけでベニヤミンを守るユダのことば、父ヤコブに対する愛を確認したヨセフは、兄たちの悔い改めの実を確信して、45章3節で「私はヨセフです。父上はお元気ですか」と自分の身分を明かししています。シャローム。