●26聖人を訪ねて(6)

 26聖人像は、エスキースの段階では、その足が地についた形になっていたそうですが、制作の段階で天に昇る姿、つまり足はだらりと垂れ下がり中空を飛んでいる形となっています。像の多くは目を天に向け祈りの手を合わせています。口元は歌っているような祈っているような形。6番目の聖パウロ三木と11番目の聖ペトロ・バプチスタだけは、前に立つ者を見下ろし、両手を広げ、祝福を祈っています。大人の像にまじって9番目の聖ルドビコ茨木、10番目の聖アントニオ、20番目の聖トマス小崎は、少年像で、他の像の肩までの身長です。いずれの彫刻も、その歓喜に溢れた姿は慈しみと愛に満ちています。
 記念碑は大きな十字架の形になっています。十字架の上部には光り輝く十字と、ラテン語「Laudate Dominum omnes gentes」〔「すべての国々よ、主をたたえよ」(詩篇117編)〕が刻まれています。
 先に紹介した3人の少年たちは、いずれも12~14才。最年少の12才聖ルドビコ茨木は、逮捕時に除外されたが、捕えるように願い出たとのこと。棄教するなら許すと役人に勧められたのに対して「つかのまの生命と永遠の生命を交換するのは意味のないことです」と語り拒否しました(フロイス、前掲書、183頁)。13才の聖アントニオは「主のしもべたちよ。ほめたたえよ」(詩篇113編)と賛美します。14才(前掲書では16才)の聖トマス小崎が道中の安芸・三原(現在の広島県三原市)にて母に宛てた手紙の一節。「私と父上ミゲルのことについては御安心くださいますように。天国で近いうちにお会いできると思います・・・私は我が主に母上達のためにお祈り致します・・・」


投稿日

カテゴリー:

,

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください