●『今日のパン、明日の糧』(ヘンリ・ナウエン)より(35)

「証し人としてその成果を見ることが出来なくても、自分たちの人生もまた実り豊かなものになるであろうと、信じることが大切です。」

 オリンピックが終わりました。劇的な逆転の場面がいくつもあり感動しました。レスリングで銀メダルを獲得した選手が「一番練習した人が一番になる。自分はまだ一番ではない」と語った言葉が印象的でした。努力は必ず報われる、努力の結果は必ず確かな手ごたえとしてやって来る、この世界はそういう世界である、と若者たちに語ることが出来る世界であってほしいと思います。またそのような世界を大人は築いていく責任があると思います。
 しかし私たちの現実は必ずしもそうではありません。努力が報われるばかりではありません。こと証し人として生きようとするとき、その成果を見ることが出来るとは限りません。
 福音のためにいのちを失った殉教者たちの多くは、世界が福音に心を開く姿を目撃することができませんでした。実り豊かな人生を見ることが出来なかった彼らの死は、無駄で残念な死だったのでしょうか。そうではないでしょう。
 私たちもこの地上において報いがないからといって絶望しないようにしましょう。自分がこの地上に存在しなくなってから結ばれる豊かな実りを信じましょう。主にある人生は、例外なくすべて実り豊かな人生です。
 そのことを信じて今日を、今の瞬間を生きることが大切なことなのです。


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