●『今日のパン、明日の糧』(ヘンリ・ナウエン)より(32)

「霊的な生活においては二種類の孤独を区別する必要があります。最初の孤独感では、神に触れることがなく、帰属意識や親しみ、家族の味を与えてくれる人やものを不安げに探しまわっている自分を体験します。第二の孤独感は、私たちの感情や思いの及ばない、深く偉大な神との親しい交わりから生まれてきます。」

 「孤独」な状態はさみしいですし、あまりうれしいことではありません。だれも話し相手がいないというのはつらいことです。そこでさみしい心を満たすために誰かを求めはじめると、他人は私のさみしさを満たすために存在しているわけではありませんので、さみしさを紛らわせようとするあまりとたんに暴力的になってしまいます。これは以前にこのコーナーで学びました。
 自分自身の人生の充実のために、また良い人間関係のためにも、「第二の孤独」を生きる必要があります。「隠れた所」(マタイ6:6)で見ておられる神さまに、「戸をしめて」、一対一でお出会いする。そんな時と場所を大切にすることが出来てはじめて家族や隣人とより良い距離を保ち健やかな人間関係に生きることが出来るのです。
 現代は「孤独を紛らわせるさまざまなもの」に溢れています。その結果、第二の孤独をも失っているのではないでしょうか。余裕を失い、短絡的で、切れやすい状態があちらこちらにあるのも第二の孤独を失っているからではないでしょうか。神さまの前に静まって、み心をたずね求め、また自分自身を見つめる時間としての「第二の孤独」を取り戻しましょう。


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