●『今日のパン、明日の糧』(ヘンリ・ナウエン)より(21)

「感謝の心で、神と家族、友人たちに感謝しつつ死ぬことが出来るなら、私たちの死は他の人々にとっていのちの始まりとなるでしょう。」

 死を前にして、私たちは遺される愛する人びとに何をのこすことが出来るのか。感謝の心をのこすことが出来るならば、私たちの死は他の人々にとっていのちの始まりとなる、とナウエンは語ります。
 「いのちの始まり」とは、その人が生き生きと生きて行けるような出発を与えてあげられる、ということでしょう。「死」への恐怖もさることながら、「死ぬこと」に関わるさまざまな事がらへの恐怖や心配、不安は小さいものではありません。「自分が死んだら家族はどうなるだろう」との心配があるとすれば、あなたの「感謝の心をのこす」ということです。感謝の心を受け取ることが出来た家族は、力強く生きて行くことが出来るのです。
 あとにのこされた人びとが、悲しみにうちひしがれたり、恥ずかしい思い、うしろめたさを感じたりするような死に方をしないようにしましょう。死はいつやって来るかだれにも分かりません。もしいつ死ぬかが分かっているとすれば、それは恐ろしいことですから、いつ死がやって来るかが分からないということは恵みです。しかしだからこそ、日ごろから「よい死」を迎える準備が必要です。感謝の心をのこすことは今この時から始めなければならないということですね。


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