●牧師の机2~魂への配慮の歴史より魂への配慮の歴史2(18)◎隣人愛は常に相対的なもの

「しかし、神への愛は隣人への愛とは質が異なります。わたしは、自分の隣人を神を愛するように愛すべきではありません。そうではなくて自分自身を愛するように愛するのです。
ヘルムート・タケ(1928~1988)

 ドイツ・ブレーメンに生まれた牧師。ある教会ではオルガニストも務め、電話による魂への配慮の運動にも協力していたとのこと。
 自分を愛するように隣人を愛しなさい、とイエスさまは言われましたが、神を愛するように隣人を愛しなさいとは言われませんでした。隣人を愛するときは、せいぜい自分を愛する程度でよいということなのです。
 愛するほうも愛されるほうも、人間の愛には限界があること、そして限界があってよいことを知らなければなりません。そうでなければいつの間にか人間を神さまのように偶像視してしまいます。無限の愛を見出すことができれば賞賛し、見出すことができなければ非難してしまいます。
 ときおり神さまを愛するように隣人を愛さなければならない、あるいは神さまを愛する以上に隣人を愛さなければならない、などと心によぎる誘惑には耳を貸さず、人間としてそして健やかな人間として、限界の中で、愛に生きる者になりましょう。そのためにも熱心に神さまを愛する者でありたいと思います。神さまへの愛は全存在を求める愛ですが、隣人への健やかな愛は相対的な中にこそあります。


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