●牧師の机2~魂への配慮の歴史より魂への配慮の歴史2(14)◎牧会~魂への配慮

「私は人間が好きなのです
エードゥアルト・トゥルンアイゼン(1888~1974)

 スイスに生まれた牧師、神学者。双子で生まれた兄弟は生後三か月で死去。3才の時に母親が死去。「偉大なほどの柔和さと、ひねくれているかと思うほどの厳しさ」と評されたその語り口は、幼いころのこの喪失体験のよるのではないか、などと書かれていました。神学校の牧会学の授業では必ずといっていいほど、このトゥルンアイゼン著の『牧会学』を読むことになります。
 さてトゥルンアイゼンが牧会の中で関わることとなった一人の女性。彼女の夫が自分たちのふたりの子どもたちを殺そうと試みて果たさず自殺してしまいました。その女性に手紙で「私どもが余すところなく、完全に、神のみ手に委ねることが許されるということ」「このことが・・・すべての困難から与えられた実りであったとすれば、それもまた無駄ではなかったということになりましょう」と彼は書き送りました。
 また他のある人は、トゥルンアイゼン牧師がいっしょに祈ってくれると、自分の足で、神さまの前にしっかりと立てるようにしてくれたと、語ります。隣人を愛することは、隣人を神さまにゆだね、その人が自分の足でしっかりと神さまの前に立つことができるようにしてあげることです。人間が好きだからこそ、人間を神さまのみ手の中に委ねるのです。


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