●牧師の机2~魂への配慮の歴史より魂への配慮の歴史2(10)◎人世を誠実に

「つらい厳しい人世を誠実に生き続けるひとには、神の現実という内的な泉が溢れ始め、世界は、自分が推測し得たのとは全く異なった意味で、もはや沈黙の世界とはなりません。すべての現実に込められている神の秘儀が紡ぐ銀色の糸が、輝き始め、歌い始めます。
アルフレート・デルプ(1907~1945)

ドイツ・ミュンヘンにて、父は福音主義キリスト者、母はカトリックという両親のもとに生まれたデルプは18才でイエズス会の修練士となり、ナチスドイツ政権のもと国家反逆罪で死刑判決を受け、37才でベルリンの刑務所にて絞首刑となりました。ヒットラー政権への抵抗に向かうデルプの生涯を貫いた原理は「パンは大切である。自由はもっと大切である。だが最も大切なのは、誠実を尽くして神を拝み続け、これを裏切らないことである」。
人世(人の世の中)は時に厳しいものです。しかしその厳しい人世を「誠実に」生き続けるなら、泉が溢れるように豊かで、銀色の糸が輝くように輝き、喜びの歌が生まれます。もちろん「こころみに会わせず悪より救い出だしたまえ」と祈るようにイエスさまは教えてくださいましたので、きびしい現実でない道を選びたいと思います。しかしどうしても選ばなければならない厳しい現実ならば「誠実に」生きて行きましょう。そこに輝いた人生が生まれるのです。


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