●牧師の机2~魂への配慮の歴史より魂への配慮の歴史2(4)◎愛と同情をもって

「あなたが、その女性(ひと)を訪ねるときにも、そのひとがどのようなひとであろうと、ただ愛と同情とをもって訪ねればよいのです。いかにも牧師らしく信仰を問い詰めに来たのではないかと思われてはなりません。・・・人びとが、自分で、自己自身をよく認識し、ざんげをすればよいのです。それは、牧師がそのことをしらなくても起こり得ることなのです。
ヨーハン・クリストフ・ブルームハルト(1805~1880)

 19世紀ドイツの牧師。その牧会活動の中で一人の若い女性から悪霊を追い出したという事件によりさまざまな解釈がされる神学者です。
 これはひとりの牧師への牧会アドバイスとして書かれた手紙の中の一節です。人間は、特に牧師のような教える立場の者は、やたら他人をコントロールしがちです。たとえ善意であったとしても「コントロール」すなわち「支配すること」は必ずしも良い結果を生みだすとは限りません。ましてや「信仰を問い詰める」などということは育っていこうとする愛や信頼というものの芽を摘み取ってしまうことすらあるでしょう。人を導かれるお方は神さまご自身です。人間は神さまの手足となって愛と同情、すなわち従順と優しさ、しなやかさをもってお訪ねすればそれ以上のことは必要ないのです。


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