●デボーションからの黙想(33)~ボンヘッファー『主のよき力に守られて』より◎愛は前進し続けること

「愛は、日々新しく、他者に出会い、新しい愛をもって向き合い、過ぎ去ったことを忘れるのである。そのために愛は、人々の物笑いの種となり、愚か者と見なされるかもしれないが、それでも愛は、決して当惑することなく、かえって愛するためにさらに前進し続けるのである。」
(ボンヘッファー、『主のよき力に守られて』より)

 過去の人間関係が、現在の人間関係にさまざまな影響を与えています。過去によい関わりが築き上げられていると、現在の出会いが喜びとなります。逆にいろいろな傷があると現在の出会いは痛みや悲しみとなり、出会いそのものが避けたいこととなります。
 この社会では人の評価も過去の行いや業績によってなされます。企業の面接も過去の歩みを問います。学校でも旧年度の成績や行動などが引き継がれ次年度に生かされます。過去に失敗や汚点があれば、それが今後の歩みに影響を与えます。人間は常に過去の影響の中に現在を生き、将来への道を歩みます。
 しかし愛に生きる者はそうではありません。「日々新しく他者に出会い、新しい愛をもって向き合い、過ぎ去ったことを忘れる」のです。この世はこのような生き方を「愚かなこと」といいます。しかし愛に生きる者は「前進し続ける」のです。
 このような愛はイエスさまだけがお持ちになっておられる愛であり、人間には不可能のように思われます。しかし主にある者は聖霊の自由の中でこのような愛に生きるようにと招かれています。


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