●デボーションからの黙想(28)~ボンヘッファー『主のよき力に守られて』より◎交わりと孤独

「ひとりでいることなしに交わりを望む者は、言葉と感情の空しさに陥り、交わりなしにひとりでいることを求める者は、虚栄心と自己陶酔の絶望の深みに落ちて滅びるのである。」
(ボンヘッファー、『主のよき力に守られて』より)

 離れていると寂しい、かといって近づきすぎるとお互いのからだから出ているとげで相互に傷つけ合ってしまう。ヤマアラシのジレンマです。良い人間関係は、良い距離を保つことによって築かれるということでしょうか。
 ボンヘッファーは、「ひとりでいること」と「交わり」の大切さを語ります。ひとりでいることのさみしさの穴埋めをするために交わりを求めると、その交わりは決してよいものにはなりません。なぜなら私のさみしさの穴埋めをするために他人は存在しているのではないからです。交わりの祝福は「ひとりでいること」に平安をいただいているかがカギです。
 逆に、交わりなしにひとりでいるということは、裸の王様になってしまうということでしょう。人間は罪人ですからひとりで夜な夜な頭の中に巡っているようなことはロクなことではありません。人と出会って違う意見を聞き、自らを振り返り、身も心も軌道修正するということは、美しい生き方には欠かせません。
 インターネットの時代を迎え、交わりと孤独は複雑でますます難しくなっています。交わりの達人は、孤独を愛することの達人でもあります。孤独を愛する交わりの達人になりたいと思います。


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