●森のステージ(2)◎大切なみやげ

「・・・/若さゆえありあまるきみだから/目に見えるものを与えることは出来る/だが目に見えぬものは/ただ受け取るだけ/それが何よりも大切なみやげ/きみの明日(谷川俊太郎)」

 修了式後、講堂にて壮行会が行なわれました。その中で語学講師の先生の一人がヘレン・ケラーの言葉を引用してはなむけの言葉を語られました。
「私は素晴らしく尊い仕事をしたいと心から思っている。でも私がやらなければならないのは、ちっぽけな仕事をも素晴らしくて尊い仕事と同じように立派にやり遂げることなのだ」
 駒ケ根訓練所で訓練を修めた195名は、36カ国に派遣されます。任国での彼らの役割は、教育、保健・医療、社会福祉、行政・公共事業、など多岐にわたっています。その内容はすでに日本にて経験しているものです。例えば長女と同じエクアドルに派遣される助産師がおられますが、彼女は日本にて助産師として働いています。現地の様々な必要に答えるために彼らは若さと共に自分たちの手にあるものを与えに行くのです。
 しかし現地ではみな日本のようには行かないことに出会っていくようです。その中では本来自分たちがすることではないようなことや、雑用と思えることも強いられるということでした。そういう「ちっぽけな仕事」をも素晴らしくて尊い仕事として同じように立派にやり遂げてほしいとのはなむけでした。きっとそういう活動の中で得た「目に見えぬもの」が何よりも大切なみやげとなるのでしょう。


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