●牧会の机~魂への配慮の歴史より(39)◎魂の栄養

「魂も、その栄養を必要とします。・・・神が、魂が地上を旅するための栄養を与えようとなさったとき、すべての被造物を、よくご覧になりました。しかし、適当なものを見つけることが、おできになりませんでした。そこで改めて、ご自身をご覧になり、ご自身を与えることを決心されたのです。」
アルスの司祭ジャン-マリ・ヴィアンネ(1786~1859)

 人口230人のフランスの田舎の村アルスの司祭。フランス革命は国中に宗教的な荒廃をもたらしました。人びとは日曜日に酒を飲んだり踊ったりして過ごしています。ヴィアンネはこの村で生涯人々の魂への配慮のために仕えました。ヴィアンネの奉仕によりこの貧しい村は劇的に変わり、それを聞きつけた人々はフランス中から集るようになりました。その数毎年4万人を超えたといわれます。20世紀フランスの作家ジョルジュ・ベルナノスの代表作『田舎司祭の日記』はこのヴィアンネをモデルにしています。
 肉体が栄養を必要とするように、魂にも栄養が必要です。その栄養とはイエスさまご自身であるとヴィアンネは語ります。イエスさまの教え、イエスさまの成してくださったこと、十字架と復活、それを信じることです。しかしそれとともに、イエスさまご自身を私たちは栄養としなければなりません。聖餐式におけるパンとぶどう汁、そして語られる聖書の言葉が、私たちの魂を生かします。知識だけではなく「からだ」じゅうでイエスさまに生かされることを体験するのです。


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