●牧会の机~魂への配慮の歴史より(31)◎小さな交わりの集会

「集会をすることは、何よりもよいことです。ただし、必要なとき以外は、あまりにも大きな集会にしないでください」
ニコラウス・ルートヴィヒ・フォン・ツィンツェンドルフ

(1700-1760)
 ツィンツェンドルフ伯爵は官吏になるための教育を受け備えていました。ところが事件が起こります。ハプスブルク家の弾圧で故郷を追われたボヘミヤの人びとを受け入れることになりました。ベルテルスドルフ近郊のフートベルク山麓の土地の一部を与えます。ここに生まれたのが「ヘルンフート(主の守りという意味を持つ新しい地名)の移住者共同体でした。ツィンツェンドルフは保護者(パトロン)としてこの共同体の魂の配慮をすることになります。
 ヘルンフートは様々に異なった信仰形成を余儀なくされたキリスト者たちが秩序正しくともに生きることによって生まれた超教派的自由教会といわれます。
 交わりと賛美を大切にした信仰共同体が真のキリスト者を生かす、そして生かし続けるのです。いわゆる大きな集会は、交わりのための工夫が必要となり、その工夫がないと信仰を養う霊的な対話を行う場所としての役割を果たしにくくなります。結果、自らの変革を願うキリストの弟子が生み出されるのではなく、福音という商品をいたずらに要求する消費者を生み出してしまいます。この教会は私に何を与えてくれるだろうか、どんなサービスをしてくれるだろうかということばかりを考えている大衆を生み出すだけになってしまうのです。そうではなく、キリストの教会は自らの罪を悔い改め十字架を背負いつつキリストに従う弟子を教会は生み出さなければなりません。今日もヘルンフートのような信仰共同体が必要でしょう。


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