●牧会の机~魂への配慮の歴史より(29)◎神の御心を伝える人

「あなたの魂、あなたの関心事を、誰にでも打ち明けることのないようにしなさい。そのために躓くひともあるかもしれません。そうではなくて、神をこころから愛し、自分に対して神がどのようになさるかを、よく知っている人びとに打ち明けなさい。そのような人びとの勧告と慰めをこそ、あなたは信頼して聴くことを必要としておられるのです。」
フィリップ・ヤーコプ・シュペーナー(1635~1705)

 30年戦争のさなかに現在のフランス北東部アルザスのラッポルツヴァイラーに生まれたルター派の牧師。敬虔派の創始者といわれます。いくつもの教会にて説教者として奉仕しました。シュペーナーの残した説教集は何巻にもわたる分厚い説教集になっているそうです。
 魂への配慮(「霊的祭司職」)は説教者の固有の課題ではなく、万人祭司(全信徒祭司)の教えによって、真実の信仰に立つキリスト者すべてが果たすべき義務であると語ります。教会は信仰の共同体です。牧師が一方的に信徒に対して慰めを語るのではなく、一人ひとりのキリスト者が、お互いに慰め合い励まし合うのです。
 礼拝に集い、神さまに賛美を歌いみ言葉に耳を傾け祈りをします。そして交わりをいただきます。この交わりによってたがいに慰め合い励まし合うのです。交わりが励ましと慰めに満ちたものとなるために、私たちの語る言葉、ふるまう態度は慰めと励ましに満ちた者でなければなりません。また積極的に共同体に参加する心構えが必要となります。
 すべての信徒がこの「霊的祭司職」に召されているのです。


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