●牧会の机~魂への配慮の歴史より(23)◎人を育てる

「魂の配慮をする者たちが心がけなければならないのは、人びとを自分と同じような人間に仕立て上げることをしないということである」
十字架のヨハネ(1542~91)

 スペインのカスティリア地方のフォンティヴェロスで生まれたホアン・デ・イェペスは21歳の時にカルメル会修道院に入り、1568年修道司祭十字架のヨハネと称するようになりました。1577年、彼の影響力を妨げようとしたかつての仲間に捕えられ虐待されますが、逃亡に成功し活動が前進します。1591年12月14日に死去しましたが、この時にはすべての職務を取り上げられていました。
 修道生活の最初の日から臨終の床における最後の時に至るまでひたすら黙想に生きた修道士であった十字架のヨハネ。その著書『愛の生ける炎』の中の言葉です。人びとを自分と同じような人間に仕立てる上げること。それは自分にとって都合の良い人間や自分好みの人間を作り上げるということでしょう。しかしそれは神さまの導きを妨げることであるというのです。
 教会教育、弟子づくり、信徒訓練などなど。どうしても指導する者、育てる者の願いや好み、自分の受けてきた教育の内容が反映されるものです。しかし弟子訓練と称して自分に都合の良い人間を作り上げることに腐心しているとすれば、それは神さまのみこころを行っているのではありません。神さまの御手に委ねつつ、神さまが育てて下ることを願い期待し待ち望む者でありたいと思います。


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