秘密は、誰にも侵すことのできない自分自身の領分を所有していることを意味します。秘密をもち、それが保たれることで、母親と一体化していた幼い子供の内に「自我」が芽生える。自分と親、ひいては自己と他者のあいだに境界線が引かれ、自分という存在を意識するようになり、一人ひとりの人間を唯一無二の存在たらしめている人格の中枢部分が発達しはじめるのでる。
加賀乙彦、『不幸な国の幸福論』、集英社、2009年12月21日発行、45頁
子どもが親に対して秘密をもつことを否定的に考えるのが一般的かもしれませんが、この言葉は新しい視点を与えてくれました。
子どもはいつか親のところから離れていくものです。またそうでなければならないものです。知ってか知らずかそれをさせない親が、子どもの育ちを妨げているのでしょう。
もちろん子どもの行動や置かれた状況を知らないでよい、ということではないと思います。親はそれを責任上知らなければならないのだと思います。しかし知ってはいても、それをそっとして見守っていくことが大切なのかもしれません。
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