詩篇の祈りに導かれて(40)(週報2025年6月29日号)

 詩篇40編の詩人は苦しんでいます。必死に神さまの助けを求めています。しかし、その詩篇40編は神さまへの感謝と賛美から始まっています。詩人は、自分の叫びを聞いて、「泥沼から」「引き上げてくださった」神さまを賛美することから始めているのです。詩篇40編の前半部分は賛美で満ちあふれています。

 詩人は、神さまを賛美する一方で、「あなたは私の耳を開いてくださいました」と証しします。賛美する口ではありません。耳です。

 「耳を開いてくださいました」というのは、聞く耳を持つ者にされたことを意味しているように思います。詩人は従順な者に変えられたのです。だからこそ、神さまに耳を開かれた詩人は、「あなたのみこころを行うことを喜びとします」と続けます。

 神さまに聞き従う、神さまのみこころを行うことを喜ぶというのは、神さまを信頼していなければできないことです。全能なる神さまが愛していていくださる、その神さまを信頼し愛するからこそ、信仰者は、神さまに聞き従うことを願い、神さまのみこころに生きることを喜びとするのです。神さまへの従順は、神さまへの愛と信頼があってのことです。そして、それは賛美も同じなのだと思います。

 詩人は、苦しみの中で神さまの助けを求めると同時に、むしろその前に、神さまを賛美しました。それは詩人が神さまを信頼したからこそです。

幸いなことよ 主に信頼を置き/ 高ぶる者や 偽りに傾く者たちの方を向かない人。(詩篇40編4節)


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