イエスさまが十字架の上で語られた言葉、「わたしの霊をあなたの御手にゆだねます」は、詩篇31編から来ています。
詩篇31編の詩人は、神さまに身を避けながら、「私が決して恥を見ないようにしてください」と訴えています。詩人は、敵対する人々や「隣人」と呼べるような人々から、辱しめを受けていました。それでも、神さまを信頼して、神さまに助けを求めているのです。
そんな詩人の告白が印象的です。「あなたは私の悩みをご覧になり/ 私のたましいの苦しみをご存じです」。詩人にとって、神さまは誰よりも自分のことをよく見ていてくださり、自分の悩み苦しみを理解していてくださる方でした。
多くの人びと、親しかったはずの人びとからも辱しめられている詩人の姿は、十字架にかかられたイエスさまと重なってきます。他でもなく、十字架にかかられたイエスさまこそが、ありとあらゆる辱しめを受けられた方です。だからこそ、私たちの経験するどのような悩みも知っていてくださいます。私たちのたましいの苦しみを知っていてくださいます。そして、イエスさまが十字架の苦しみを受けてくださったのは、私たちを愛していてくださるからに他なりません。
十字架にかかってくださった主イエスさまは、よみがえって、いつも私たちの悩みをご覧になっていてくださいます。そして、ともにいてくださいます。
恐れることはない。わたしは初めであり、終わりであり、生きている者である。(ヨハネの黙示録1章17~18節)