詩篇の祈りに導かれて(30)(週報2025年4月20日号)

 詩篇30編の内容は、死の淵から救い出してくださった神さまへの感謝です。

 詩人は自分の言葉を振り返っています。「私は決して揺るがされない」。詩人が「平安のうちに」言った言葉です。「平安のうちに」とは、死の苦しみを味わう前、何の問題もなかった時のことです。詩人は自分の力で立っているつもりでいたのです。しかし、死の淵をさまようことになって、自分が神さまの「ご恩寵のうちに」立てられていたことに気づかされます。死の淵をさまよう詩人は、「あなたが御顔を隠されると/ 私はおじ惑いました」と告白します。

 ある先生は、詩人のこの言葉について、「主が私たちに御顔を隠されることはない」と言われていました。「私たちが主の御顔以外のものを見つめているから、それが主の御顔を見えなくしているだけである」、そのように言われるのです。

 詩人は自分の力で立っているつもりでした。しかし、その自分の傲慢さに気づかされて、神さまのあわれみを求めます。あわれみを求めることしかできなかったのです。そして、神さまは詩人の嘆きを踊りに変えてくださいます。それは、神さまのあわれみ、神さまのご恩寵のうちに支えられて生きる喜びです。いつも神さまの方を向いていたいものです。

 いのちは神さまのご恩寵のうちにあります。そして、神さまはいつも私たちに御顔を向けていてくださいます。

わたしはよみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は死んでも生きるのです。(ヨハネの福音書11章25節)


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