主日礼拝説教：2025年3月30日（日）
聖書箇所：出エジプト記7章1～13節
説教題：わたしが主であることを知る
暗唱聖句
わたしが手をエジプトの上に伸ばし、イスラエルの子らを彼らのただ中から導き出すとき、エジプトは、わたしが主であることを知る。
出エジプト記7章5節
説教音声
説教要旨
主が彼らに命じられたとおりに行った
ファラオにイスラエルの民の解放を求めたモーセは、あっさりとファラオに拒絶され、イスラエルの民からも恨まれることになりました。そんなモーセに、神さまは命じられます。「ファラオのところへ行って、イスラエルの子らをその国から去らせるように告げよ」。モーセは従おうとしません。ファラオは聞いてくれない、自分は口べたである、そんな言い訳をします。それでも、神さまは諦めないで命じられます。「あなたはわたしの命じることを、ことごとく告げなければならない」。
驚くべきことに、ここでモーセは神さまの命令に従います。しかも忠実に「命じられたとおりに」です。とても簡単に記されていますが、大変な思いをしているモーセにとって、従うことは決して簡単ではなかったはずです。
「エジプトは、わたしが主であることを知る」、出エジプトの結果として、ファラオとエジプトの人々は、主こそがまことの神さまであることを知ることになります。しかし、ここで誰よりも「わたしが主であることを知る」者とされていたのは、モーセその人なのだと思います。誰よりもモーセこそが、まことの神さまである主を知る信仰の歩みを前進させていたように思うのです。
モーセはとても臆病になっていました。しかし、ずっと神さまの言葉を聞き続けてきました。弱い自分を受け入れて、辛抱強く語り続けてくださった神さまの言葉を聞いてきたのです。反対に、弱い自分をさらけ出して、神さまの御前に祈ることもありました。そして、そのような交わりの中で、モーセは、主こそが天地を造られたまことの神さまであることを知り、その神さまが弱くて小さな自分を支え続けていてくださる恵みを味わってきたのだと思います。神さまとの交わりの経験によって、モーセとアロンは神さまの言葉に従う者にされたと思うのです。
人と人は、交わりを通して、お互いのことを知っていきます。同じように、神さまを知るというのも、交わりを通してです。神さまからの語りかけを聞く、神さまに語りかける、神さまの言葉に従う、そのように神さまとの時間を過ごすのです。そして、そのような交わりの経験を通して、私たちは神さまを知っていく者とされるのです。
モーセに語りかけてくださった神さまは、私たちにも語りかけていてくださいます。そして、私たちからの語りかけを待ち焦がれていてくださいます。
アロンの杖は彼らの杖を吞み込んだ
モーセとアロンはファラオの前に立ちました。そして、杖が蛇に変わる「不思議」を行います。自分たちが神さまから遣わされた者であることを証しする奇跡です。
杖が蛇に変わる奇跡を見たファラオは、エジプトの「呪法師たち」を呼び寄せて同じことをさせます。そして、何と呪法師たちの杖も蛇に変わりました。しかし、ここでさらに驚くべきことが起こります。アロンの杖が呪法師たちの杖を呑み込んだのです。
ここで「蛇」と訳されているヘブル語は、聖書の他の箇所では「竜」と訳されています。「海の巨獣」という意味を持っています。そして、それは「混沌」の力の象徴です。神さまが創造された世界の秩序を破壊して、世界を混沌の渦に巻き込もうとする力です。私たちを混沌の渦に巻き込んで、神さまのご支配から引き離そうとする力です。罪の力そのものと言っても良いと思います。エジプトの呪法師たちが投げた杖は、その混沌の力、罪の力を象徴する蛇に変わったのです。しかし、その呪法師たちの杖を、アロンの杖は呑み込みました。神さまの勝利です。神さまが、エジプトの蛇に象徴される混沌の力、罪の力に勝利されたのです。
出エジプトの時代に、モーセやイスラエルの民を苦しめた混沌の力は、現在も渦巻いています。しかし、エジプトの蛇を呑み込んだ神さまの勝利は、決して揺らぐことがありません。神さまが、御子イエス・キリストの十字架のみわざによって、罪に対する完全な勝利を収めてくださったからです。神さまの完全な勝利に支えられている私たちは、どのような罪の力にも、決して呑み込まれることがないのです。
出エジプトのみわざを成し遂げてくださった主、十字架にかかってくださり、死人の中からよみがえられた主イエスさまこそが、まことの神さまです。その神さまが私たちとともにいてくださいます。信仰の目をいただいて、神さまの確かなご支配の中を歩ませていただきましょう。
祈り
出エジプトのみわざを成し遂げてくださった主、死んでよみがえられた主イエスさま、まことの神さまがともにいてくださる恵みを覚えて感謝します。いつも神さまの確かな愛とご支配の中に生かされていることを信じる者としてください。新しく始まる一週間の歩みも守り支えてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
