詩篇の祈りに導かれて(23)(週報2025年3月2日号)

 詩篇23編は「主は私の羊飼い」という告白から始まります。詩人は神さまを自分の羊飼いと告白しています。

 羊は自分の全存在を羊飼いに負っています。食べ物を得ることも、外敵から身を守ることも、羊飼いの存在なしには考えられません。羊飼いのいない羊は生きることができません。詩篇23編の詩人は自分がそのような羊であることを告白しているのです。

 自分を羊と告白するのは、自分の力では生きることのできない自分の弱さを認めることです。すぐに道に迷う自分の愚かさを認めることです。そして、自分がそのような羊であることを認め告白するのは、神さまの一方的で圧倒的な恵みなしにはできないことです。神さまが弱くて愚かな自分を愛していてくださる、いつも守り導いていてくださる、その一方的で圧倒的な恵みに満たされて、神さまの御前で謙遜になって、私たちは初めて自分が羊のような者であることを告白できるのです。そして、神さまの豊かな恵みによって、羊である自分を認め、神さまにすべてをお委ねして生きるところで、私たちは「乏しいことはありません」という告白に導かれていくのです。

 詩篇23編の詩人を素晴らしい信仰告白へと導かれた神さまは、私たちの羊飼いでもいてくださいます。「主は私の羊飼い」、この詩人の告白を「私」の告白とさせていただきましょう。

わたしは良い牧者です。良い牧者は羊たちのためにいのちを捨てます。(ヨハネの福音書10章11節)


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