詩篇20編に続いて、21編にも王が登場します。
王は神さまの御力と御救いを喜び楽しみます。王にとって、神さまの御力と御救いとは、神さまが与えてくださる勝利です。王は神さまの助けを必要としています。
王が神さまの御力と御救いを喜び楽しむのは現在形と未来形で表現されています。「喜びます」、「楽しむことでしょう」。王はまだ現実のものとなっていない神さまの御力と御救いを喜び楽しんでいるのです。王は神さまを信頼しているからです。
「王は 主に信頼しているので/ いと高き方の恵みにあって揺るがないのです」。
王が揺るがないのは神さまの「恵みにあって」のことです。恵みとは神さまがご自分の民と結ばれた契約に忠実であられることです。神さまがご自分の民との契約に忠実であられる、ご自分の民に対する神さまの愛は変わらない、その恵みによって、王は揺るがないのです。ただ、王が揺るがないのは神さまの恵みがあるからだけではありません。それは王が神さまを信頼しているからでもあります。
詩篇21編の詩人は王の固い信頼をほめたたえているのではありません。詩人がほめたたえているのは信頼するに足る神さまです。恵み深い神さまはいつも信頼できるお方なのです。そして、その恵み深い神さまを私たちが信頼するところで、救いは実現し信仰生活は実を結びます。
あなたがたの思い患いを、いっさい神に委ねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。(ペテロの手紙第一5章7節)