- 主日礼拝説教:2025年1月26日(日)
- 聖書箇所:第一コリント1章26~31節
- 説教題:あなたも選ばれている
●暗唱聖句
あなたがたは神によってキリスト・イエスのうちにあります。
第一コリント1章30節a
説教音声
●説教要旨
◎キリストは義と聖と贖い、選びだされた私
キリストは「義」、すなわち神さまとの正しい関係を築いてくださいました。キリストは「聖」、すなわち私たちをきよめて下さり神のものとしてくださいます。キリストは「贖い」、すなわち十字架において私たちを罪の奴隷から買い取り解放してくださいました。私たちが救われて新しく生きることが出来るのは、キリストによります。私たちの知恵、力、身分によるのではありません。私たちの知恵、力、身分にかかわりなく召され、選びだされました。
それは救われた者がだれも神さまの御前で自らを誇ることないためである、とパウロは語ります。
コリントの教会に起こっていた問題の一つは、自らを誇る、ということだったのだと思います。自分が救われたのが、自分の知恵や力、身分によると考え始めた時に、信仰生活は病んでいきます。また共に信仰生活を歩む信仰の仲間の間に深刻な問題を生み出します。交わりが破壊されていくのです。
私たちの教会を生み出してくださった宣教団体であるWECには団体を支える理念としての四本柱があります。「信仰、聖潔、犠牲、交わり」です。この四つの柱によって建物である団体が建てられています。その文化を私たちの教会も大切に引き継いでいます。とりわけ「交わり」はとても大切にしてきました。その交わりは、多くの場合、信仰者の互いの交わりを指していますが、その前提、あるいは土台として、神さまとの交わりはなくてはならない大切なことです。
自らの知恵や力、身分によって神さまに召された、選ばれたと考え始めると、途端に互いの交わりが難しくなります。互いの交わりが祝福の内に前進するためには、自らが召された、選ばれた理由は何もないことを確認し続けなければなりません。
これは誇りたくなるような知恵、力、身分があるならば、それらを誇らない、ということではありますが、逆に知恵や力がないこと、身分が低いことを誇ることでもありません。「だれも」誇ることのないためです。救われた者の真の自由と喜びは、そこに生まれるのです。
◎キリストを誇る喜び、キリストにあって誇る喜び
「誇る者は主を誇れ」。これはエレミヤ9章23,24節からの引用です。
「 ──主はこう言われる── 知恵ある者は自分の知恵を誇るな。力ある者は自分の力を誇るな。富ある者は自分の富を誇るな。誇る者は、ただ、これを誇れ。悟りを得て、わたしを知っていることを。わたしは主であり、地に恵みと公正と正義を行う者であるからだ。まことに、わたしはこれらのことを喜ぶ。──主のことば。」
「だれも誇らないため」とは、一切誇ってはならないというよりも、主を誇る、そして自分の知恵や力、富ではなく、ただ、主を知っていること、主とお出会いしたこと、主に召され、選ばれたことを誇りなさい、ということです。
誇り、というと、矜持(きょうじ)、プライドということですが、それが全くないとしたら私たちは生きていくことが出来ないのではないだろうか。私たちは何らかの誇りをもって生きているのではないだろうか。
誇りを持つか持たないか、ではなく、どのような誇りを持つのか、あるいはその誇りをどのように持つのか、によって、生き方が変わってくるのだと思います。もし神さま抜きで、私の知恵、力、身分、富などを誇る、あるいはそれによって今の自分がある、自分の人生があるとして生きようとするならば、それらは永遠のものではなく、いつか消え失せてしまうものを土台として生きることです。いつか消えてしまうものを誇りとして生きるとすれば、なんと心もとない人生でしょう。それに対して、ただ神さまの一方的な愛によって召し、選ばれた、そのことを誇る。そのような神さまを誇る。理由は一切分からないけれども、私は神さまのお気に入りである、と信じて生きていく。この神さまの良いお心は、永遠であり、何かによって変化することはありません。それが私の人生の土台となっている。揺るぐことのない人生の土台を持っている。そのような神さまとの交わりの中に生きているならば、共に生きる人たちの中に、健やかな関係を築いていくことが出来るのではないか。
誇らざるを得ない私たちなのだとすれば、主を誇る、主にある自分自身を誇る、主にある自分にしてくださった主を誇る。主を誇ることこそ、まことに健やかな生き方を私たちのうちに、そして健やかな関係を私たちと共に歩む人たちとの間に築いていくことができるのです。
●祈り
私たちはみな主の一方的な恵みによって救い出してくださいました。召してくださり、選んでくださった。その喜びを見失うことがないように守ってください。あなたを誇る者としてください。

