説教音声・要旨 2024年12月22日(日)

  • 主日礼拝説教:2024年12月22日(日)
  • 聖書箇所:ピリピ人への手紙2章6~11節
  • 説教題:しもべとなった神

●暗唱聖句

  神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである。

ヨハネの福音書3章16節

説教音声

●説教要旨

◎人間と同じようになられた神~神は私たちとともにおられる

 クリスマスは、神が人となられたことをお祝いするときです。神さまは、まさに神ご自身であるにもかかわらず、その神としてのあり方を捨てることができないとは考えられませんでした。
 神と等しい者である、神のような力を持っている、神のような権威を持っているならば、果たしてそれを捨てることができるだろうか。
 まことの自由とは何か。神の力を手にすることができたならば、なんでも自分の思い通りに世界を動かす力を持っているのですから自由です。もしそれが出来なくなれば、不自由です。私たちの神さまは、不自由になる道を選択することができないとは考えられませんでした。手にしていた神の在り方を捨てる自由をお持ちになっておられました。
 キリストは、ご自分を空しくして、しもべの姿をとられ、人間と同じようになられました。そして、人としての姿をもって現れ、自らを低くして、死にまで、それも十字架の死にまで従われたのです。
 クリスマスに起こった出来事とは、まことの神が、まことの人となられた奇跡であり、それも、弱く貧しい赤子の姿として、この地上に来て下さった奇跡なのです。

 7節の「人間」と訳されている言葉と、「人」と訳されている言葉は、同じギリシャ語の単語ではありますが、人間と訳されているほうは、複数形となっています。それに対して、人のほうは単数形です。
 キリストは、私たち一人ひとりと同じようになってくださった、そのために、一人の人となられた、という意味です。
 マリヤの子として、ベツレヘムに生まれナザレにお育ちになったイエス。この一人の人になられたことにおいて、すべての人間となられた。ここに集いました、私たち一人ひとりと同じ人間となってくださったのです。
 一年が終わろうとしています。それぞれの歩みを振り返りつつ、その時々に、喜びもあり悲しみもあった一年だと思います。それぞれなりに聖書の神を信じて歩んできました。一人として同じ歩みはなかったと思います。しかしこのキリストにおいてご自身を現わしてくださったまことの神は、そのような私たち一人ひとりとともにいてくださいました。私のことを、私以上に理解し、支え続けてくださいました。

◎しもべとなった神~神の謙遜と従順によって

 神は人間となられた。そのために人となられた。それはまた、ご自分を空しくして、しもべの姿をとられたことでした。
 ただ私たちと同じ人間となれたのではなく、しもべとなられた。奴隷となられたのです。

 私たち人間の奴隷になられたのではありません。私たちの都合の良いようにふるまってくださる便利なしもべになられたのではないのです。
 しもべとなられた、とは、神さまのしもべとなられたということです。神さまに対して、奴隷のように、従順に歩まれました。自らを空しくし、自らを低くされました。へりくだられました。死にまで、しかも、屈辱に満ちた十字架の死にまでも父なる神さまに従われたのです。
 私たちの罪を贖うために、十字架において自らのいのちをお献げになられました。人々からの辱めを一身に受けられました。ひたすら父なる神さまに対して従順に歩まれました。

 この従順に歩まれたイエスさまを、神は、高く上げられました。すべての名にまさる名をお与えになりました。それは、この名によって、すべての造られたものが、イエス・キリストは主です、と告白し、父なる神さまに栄光を帰するためでした。私たちが、神さまを主とするために、主はしもべとなってくださったのです。

 私たち人間は、神さまに栄光を帰するために造られたのです。造られた本来の目的に従って生きる時、本当の幸せに生きることができます。喜びと感謝をもって生きることができるのです。
 しかし最初の人アダムは、与えられた自由を乱用し、自らを主人としました。その結果、死ぬ者となりました。それ以降、すべての人は、罪と死の中に生きる者となりました。その間違ってしまった歩みを、キリストはもう一度やり直してくださったのです。
 キリストは、徹頭徹尾、父なる神さまに従われたのです。従順であろうされ、神さまに栄光を帰され、人間本来のあり方を、やり直してくださいました。そのキリストを、神は高く上げて、すべての名にまさる名をお与えになりました。

「自分のいのちを救おうと思う者はそれを失い、わたしと福音のためにいのちを失う者は、それを救うのです。人は、たとえ全世界を手に入れても、自分のいのちを失ったら、何の益があるでしょうか。」(マルコ8・35、36)

 罪と滅びの中にしか生きることのできなかった私たちのために、神さまは御子イエスさまを遣わしてくださり、十字架と復活の御業をなしてくださいました。私たちが、自らの大切ないのちを失わないで生きることができるために、神さまはクリスマスの奇跡を起こされたのです。私のことを誰よりも大切に考えていてくださる神さまを、私の主と仰ぎ見て、自らのいのちを大切に生きる者となりたいと思います。

●祈り

 まことの人間となってくださった神さま。しもべとなって本来の人間の在り方を全うしてくださった主イエスさま。あなたの御名を讃えます。
 どうかあなたによって造られた喜びを確かにし、あなたに従順に生きる自由と喜びに歩ませてください。

説教20241222-01
説教20241222-02


投稿日

カテゴリー:

, ,