詩篇の祈りに導かれて(14)(週報2024年12月15日号)

 詩篇14編の詩人は「神はいない」という言葉を取り上げています。「愚か者」が心の中で言っている言葉です。

 詩人はイスラエルの民であり、その詩人から「愚か者」と呼ばれている人々もイスラエルの民です。まことの神さま、主から、ご自分の民とされた人々です。

 イスラエルの民が「神はいない」と言うのは、文字通りに神さまの存在を否定してことではないはずです。彼らは神さまの民として生きているのです。表面的にはとても敬虔であるかも知れません。しかし、心の中では「神はいない」と言っているのです。そして、彼らの「神はいない」を、詩人は神さまを呼び求めないことと言います。

 信仰とはただ単に神さまの存在を認めることではありません。そのこととともに、神さまとの人格的な交わりの中に生かされることです。全知全能なる神さまが、小さな自分を顧みていてくださる、いつもともにいてくださる、その神さまの御前にあることを覚えて生きることです。神さまを神さまとして恐れ、神さまを信頼して、自分を神さまに委ねて生きることです。

 神さまは、いつも先に、私たちに呼びかけていてくださいます。私たちを呼び求めていてくださいます。そして、神さまを呼び求める私たちの祈りに必ず答えてくださいます。

神に近づく者は、神がおられることと、神がご自分を求める者には報いてくださる方であることを、信じなければならないのです。(ヘブル人への手紙11章6節)


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