主日礼拝説教：2024年12月1日（日）
聖書箇所：出エジプト記1章8～22節
説教題：神を恐れる者に
暗唱聖句
主のあわれみは、代々にわたって
主を恐れる者に及びます。
ルカの福音書1章50節
説教音声
説教要旨
苦しめれば苦しめるほど
ヤコブやヨセフの時代から四百年後、イスラエルの民はエジプトの地で増え広がっていました。そして、「ヨセフのことを知らない新しい王」（８節）は、強くなったイスラエルの民を恐れて、彼らに苛酷な労働を課しました。イスラエルの民を弱らせるためです。しかし、「苦しめれば苦しめるほど」（１２節）、イスラエルの民は逆に増え広がりました。神さまご自身のみわざです。
困難というのは喜ばしくないものです。しかし、不思議なことに、神さまの民は困難の中で前進していきます。問題が解決して前進するのではなく、問題の中で前進し成長するのです。それは出エジプト記の時代だけではありません。新約聖書の時代も現在も同じです。神さまの民の群れ、教会は困難の中で前進してきたのです。
現在の日本で信仰生活をする私たちは、エジプトで奴隷扱いをされていたイスラエルの民のように、苛酷な労働を強制されたりはしません。使徒たちが経験したような迫害もなくなりました。それでも、様々な問題を抱えているのは同じです。私たちも様々な困難を経験しているのです。つい二三年前には、新型コロナウィルスによって、礼拝に集まることすらできなくなることがありました。
しかし、だからと言って、そのような困難によって、教会が前進を止めたりすることはありません。教会は前進を続けます。神さまがともにいてくださるからです。私たちを教会として呼び集められたのは神さまご自身だからです。神さまご自身が働き続けていてくださるのです。教会は、その神さまに支えられながら、困難の中を前進していくのです。
今日からアドベントに入ります。一年の中で最も夜の長い時期です。世界が深い闇に包まれます。しかし、そこで神さまは働いていてくださいます。神さまは暗闇の中で救い主イエスさまのご降誕を準備していてくださったのです。
神を恐れたので
エジプトの新しい王は、イスラエルの民に苛酷な労働を課すとともに、シフラとプアという名前の助産婦たちに、男の子が生まれてきたら殺すように命じました。しかし、彼女たちは、神さまを恐れて、男の子たちを生かしました。シフラとプアは、エジプトの王よりも神さまを恐れたのです。そして、神さまもご自分を恐れた彼女たちの家を祝福してくださいました。「助産婦たちは神を恐れたので、神は彼女たちの家を栄えさせた」（２１節）。
神さまがシフラとプアの家を栄えさせてくださったのは、彼女たちが「神を恐れたので」と説明されています。彼女たちは神さまを恐れました。だからこそ、神さまの祝福をいただいたのです。
神さまを恐れて祝福をいただいたとなれば、何だか取り引きのような感じがします。しかし、取り引きではありません。神さまの祝福は神さまを恐れる人に与えられますが、神さまを恐れることは神さまの祝福を引き出すボタンではないからです。
神さまは私たちとの取り引きを願っておられるのではありません。そもそもが、私たちは神さまと取り引きできるような者ではないのです。私たちは罪人だからです。神さまの愛を拒んだ罪人です。神さまの愛を拒む罪人の私たちには、神さまと取り引きをする資格など、最初から持っていないのです。
しかし、神さまはそんな私たちを愛していてくださいます。どんな仕事をしているか、どれだけの奉仕をしているか、どんなに心が美しくなったか、そのようなことは何も関係ありません。神さまは私たちをありのままに受け入れていてくださいます。私たちとともに生きることを願っていてくださいます。そして、私たちが神さまを恐れるのは、そんな神さまの愛を知ったからです。罪人の自分をありのままに受け入れていてくださる、私の罪を私の代わりに背負ってくださった、その神さまの愛に触れて、私たちは神さまを恐れるのです。神さまを恐れるというのは、罪人の自分を愛していてくださる神さまの御前にひれ伏して、神さまとの互いに愛し合う関係の中に生きることです。
神さまとともに生きることそのものが、私たちに与えられている神さまの祝福です。そして、神さまを恐れる人はその祝福を感謝していただきます。神さまを愛し、神さまを恐れるからこそ、神さまの祝福を喜んでいただくのです。
祈り
救い主イエスさまを与えてくださった神さまの愛を感謝します。イエスさまの愛をいただきながら、いつも私たちを祝福しようとしていてくださる神さまを恐れる者であらせてください。ともにいてくださる神さまが、新しい一週間の歩みも導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。
