主日礼拝説教:2024年11月17日(日)
説教題:主が私とともに立ち
暗唱聖句
しかし、主は私とともに立ち、私に力を与えてくださいました。それは、私を通してみことばが余すところなく宣べ伝えられ、すべての国の人々がみことばを聞くようになるためでした。こうして私は獅子の口から救い出されたのです。
テモテへの手紙第二4章17節
説教音声
説教要旨
主がともに立っていてくださる
パウロは最後に「最初の弁明」(16節)の時のことを振り返っています。捕らえられたパウロに最初の弁明の機会が与えられた時、誰もパウロを支持しませんでした。パウロは孤立無援でした。しかし、そんな自分とともに、主イエスさまが立ってくださったことを、パウロは証しします。「主は私とともに立ち、私に力を与えてくださいました」(17節)。誰も傍にいてくれない時に、主イエスさまはパウロとともに立ってくださっていたのです。
すぐ後のところで、パウロは「こうして私は獅子の口から救い出されたのです」(17節)と証ししています。しかし、「救い出された」と証しするパウロがテモテに手紙を書いているのは、牢獄の中においてです。パウロは、弁明が受け入れられて、釈放されたのではありません。捕らえられたままです。しかし、パウロは、その自分が「救い出された」と証ししているのです。
主イエスさまは、パウロが死刑にならないように、取り計らってくださったのではありません。問題が解決されたのではありません。主イエスさまがなされたのは、パウロの傍に立ってくださったことです。極端な言い方をすれば、それだけです。しかし、そのことがパウロの力になったのです。主イエスさまがともに立っていてくださる、そのことがパウロに力を与えたのです。パウロは「みことばが余すところなく宣べ伝えられ、すべての国の人々がみことばを聞くようになるため」に用いられました。
私たちにとって、問題の解決は大切なことです。ただ、問題の解決ばかりに目を向けてしまうと、私たちはそこでイエスさまを見失ってしまうことがあります。問題が解決されれば、イエスさまが助けてくださった、問題が解決されなければ、イエスさまは何もしてくださらない、そのように考えてしまうことがあるのです。
問題は解決されるかも知れません。解決されないかも知れません。しかし、それと関係なく、イエスさまはいつもともにいてくださいます。どのような時にも私たちの傍に立っていてくださいます。そして、信仰の目をもって、そのイエスさまを見つめる時、私たちはイエスさまから力をいただくことができます。そして、ずっとイエスさまに守られてきたことに気づかされます。具体的な何か、劇的な何かがあった時にだけではありません。いつもイエスさまが守っていてくださる恵みに気づかされるのです。イエスさまに守られているからこそ、私たちはイエスさまを信じて見上げることができるのです。イエスさまはそんな私たちを天の御国へと導いていてくださいます。
教会は恵みによって前進する
パウロは手紙の最後を祝祷で締めくくっています。その祝祷は、テモテに向けたものと、教会全体に向けたものの二つです。
パウロは、まずテモテに向かって、「主があなたの霊とともにいてくださいますように」(22節)と言っています。主イエスさまがともにいてくださる、これ以上の祝福はありません。
テモテに対しては特別に「あなたの霊とともに」という言い方がされています。単純に、「あなたとともに」ではありません。
肉体は傷つき衰えます。パウロも肉体の死を目の前に控えています。しかし、霊は滅ぼされません。信仰者の霊は、日々、新しくされます。主イエスさまが、聖霊によって、ともにいてくださるからです。
パウロやテモテとともにいてくださった主イエスさまは、私たちとも、ともにいてくださいます。そして、それは、一方的な恵みです。イエスさまは、私たちを愛して、どんな時にも私たちとともにいてくださるのです。私たちがイエスさまを見失うような時にも、イエスさまは私たちとともにいてくださいます。そして、そのイエスさまがともにいてくださる恵みによって、教会は支えられているのであり、前進していくのです。
祝祷は、神さまの祝福を求める祈りであり、祝福の宣言です。パウロは、最後にテモテと教会を祝福して、これからの歩みへと送り出そうとしているのです。そして、その祝福とはイエスさまがともにいてくださることそのものです。
毎週の礼拝は祝祷で終わります。神さまは、現在の私たちにも、祝福を与えて、送り遣わしていてくださいます。
祈り
どのような時にも、イエスさまがともに立っていてくださることを感謝します。あたなが与えてくださった信仰によって、いつも傍に立っていてくださるイエスさまに目を向けることができますように。教会の歩み、私たち一人ひとりの歩みを、あなたが導いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

