詩篇の祈りに導かれて(9)(週報2024年11月10日号)

 詩篇9編は神さまに対する感謝の言葉から始まります。続く内容によると、詩篇9編の詩人が神さまに感謝しているのは、神さまの具体的な救いを経験したからのようです。しかし、9編の内容全体を見ていくと、詩人は依然として苦しみの中にあることが分かります。詩人は死を意識しています。死の苦しみの中で、神さまに感謝しているのです。しかも「心を尽くして」の感謝です。

 神さまは私たちが感謝して生きることを願っておられます。しかし、感謝するというのは口で言うほどに簡単なことではないように思います。

 詩篇9編の詩人が苦しみの中で神さまに感謝できたのは、詩人が神さまのことをよく理解していたからであり、その神さまを信頼していたからです。そして、詩人が理解し信頼していた神さまとは、「公正をもって もろもろの国民をさばかれる」方であり、「虐げられた者の砦」となってくださる方であり、拠り頼む者を見捨てられない方です。

 詩人は、神さまが「公正をもって もろもろの国民をさばかれる」方として、「虐げられた者の砦」となり、拠り頼む者を見捨てられない方であることを知っていました。その神さまを信頼していました。詩人は無理やりに感謝の言葉を絞り出していたのではありません。あわれみ深い神さまに対する信頼が感謝の言葉となって告白されたのです。

主はあわれみを忘れずに、そのしもべイスラエルを助けてくださいました。(ルカの福音書1章54節)


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