詩篇の祈りに導かれて(8)(週報2024年11月3日号)

 詩篇8編の詩人は天を見上げています。

 「人はどんな時に天を見上げるのか」と問いかける方がおられました。私たちが天を見上げるのは、毎日が充実しているよりも、失敗や挫折を経験して、それまでの歩みに疑問を覚えるような時、空しさや孤独を感じるような時、そんな時が多いのではないかと思います。行き詰まりを感じる中で天を見上げるのです。そして、そこで向き合うことになるのは小さな自分です。

 詩人は、天を見上げながら、人が小さな存在に過ぎないことを歌っています。しかし、それだけではありません。詩人は、その小さな人を心に留めていてくださる神さま、小さな自分を顧みていてくださる神さまの大きな愛に、驚き感動しています。驚きと感動が賛美となっています。

 詩人は、天を見上げながら、小さな自分を顧みていてくださる神さまの大きな愛を覚えて賛美しました。詩人が賛美する神さまは、小さな私たち一人ひとりを愛して、御子イエス・キリストによって、私たちの救いを成し遂げてくださいました。

 自分を大きく見せようとするのが、罪人である私たちです。小さな自分を認めることには、どこか抵抗を感じます。しかし、人生の祝福は小さな自分に注がれている神さまの大きな愛を受け取って生きるところにあります。

幼子たち、乳飲み子たちの口を通して、あなたは誉れを打ち立てられました。(マタイの福音書21章16節)


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