詩篇の祈りに導かれて(4)(2024年10月6日号)

 詩篇4編は激しい訴えの言葉から始まります。詩人は、「私の義なる神」と呼びかける前から、訴えを繰り返しています。「答えてください」、「あわれ」んでください、「聞いてください」。詩人は苦しい状況の中で切羽詰まっているようです。しかし、最後は雰囲気ががらりと変わっています。「平安のうちに身を横たえ」。詩人は平安と喜びに満たされています。

 具体的に祈りの答えが与えられたということではないようです。状況は何も変わっていません。しかし、焦りや心配が感謝に変わっています。詩人が平安に満たされているのは、神さまの御前に受け入れられているからにほかなりません。「主よ ただあなただけが 安らかに 私を住まわせてくださいます」。

 具体的な祈りの答えがあるのは素晴らしいことです。具体的な祈りの答えを求めるのも大切なことです。しかし、詩篇4編を見ていると、祈りには答えが与えられるか否かを超えた祝福があることを教えられます。祈ることのそのものの祝福です。

 神さまは私たちを御前に受け入れていてくださいます。神さまのみ前に受け入れられていることこそが、私たちに与えられている救いであり祝福です。そして、その救いを喜び、祝福を味わうことができるのは、祈りを通してです。私たちは、祈りを通して、神さまに受け入れられている祝福を具体的い味わっているのです。

あなたがたの願い事を神に知っていただきなさい。(ピリピ人への手紙4章6節)


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