詩篇の祈りに導かれて(2)(2024年9月22日号)

 詩篇2編は王が即位する時に歌われてきたと考えられています。

 新しく即位する王は二つの声を聞いています。一つは人の声です。周りの国々では新しい王が即位するタイミングを攻撃のチャンスと捉えています。何の実績もない王にとっては不安だったことでしょう。

 しかし、そんな新しい王にもう一つの声が聞こえてきます。神さまの声です。神様は騒ぎ立つ人々に「わたしが わたしの王を立てたのだ」と告げられました。王に対しても、「あなたはわたしの子」と語ってくださいました。イスラエルの王は神さまご自身によって立てられた王であることを確認して、王としてのスタートを切ることができました。

 詩篇2編は「幸いなことよ すべて主に身を避ける人は」という言葉で終わります。王にとって何よりも大切なことは、神さまに身を避けることでした。神さまの言葉を聞き、神さまを神さまとして恐れる、神さまとの交わりに生きる、それが王に求められた第一の務めでした。

 後に、まことの王としてお生まれになったイエスさまは、誰よりも父なる神さまに身を避けておられました。まことの王であるからこそ、神さまとの交わりを大切にされました。神さまとの交わりが十字架へと向かう歩みの支えとなりました。

 神さまはまことの王であるイエスさまに結ばれている私たちにも語りかけていてくださいます。

これはわたしの愛する子。わたしはこれを喜ぶ。(マタイの福音書3章17節)


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