主日礼拝説教:2024年5月12日(日)
聖書箇所:テモテへの手紙第一6章3~10節
説教題:大きな利益を得る道
暗唱聖句
しかし、満ち足りる心を伴う敬虔こそが、大きな利益を得る道です。
テモテへの手紙第一6章6節
説教音声
説教要旨
主イエス・キリストの健全なことば
パウロは、「違ったこと」を教える人の存在を指摘しています。そして、「違ったこと」を教える人のことを、「私たちの主イエス・キリストの健全なことばと、敬虔にかなう教えに同意しない者」と説明しています。
パウロは、手紙の最初から、「違った教え」を説く人々の存在を指摘していました。彼らは律法の教師でありたいと望む人々でした。律法の教師でありたいと望む人々であるならば、聖書の神様を信じていたことでしょう。しかし、彼らは、主イエス・キリストの健全な言葉と敬虔に適う教えに同意しませんでした。だからこそ、「違ったこと」を教えてしまったと言えるでしょう。
敬虔とは神様を恐れて生きる信仰者のあり方です。そして、その敬虔は、神様の愛を知ることから始まります。罪人の自分を赦していてくださる、神様が共に人生を歩みたいと招いていてくださる、その神様の愛を知るからこそ、私たちは神様を恐れて生きるのです。神様を心の中心にお迎えして生きるのです。
神様は、救い主イエス様によって、ご自分の愛を明らかにしてくださいました。私たちは、そのイエス様の言葉を教わります。イエス様の言葉に従って生きようとします。しかし、イエス様の言葉の中で、イエス様の愛を受け取らなければ、イエス様の健全な言葉も、私たちを縛りつけるものに変わってしまうのかも知れません。
「違ったこと」を教える人々も、教会のメンバーであったのなら、イエス様を信じていたのだと思います。しかし、イエス様を信じながらも、イエス様の愛を見失っていたのではないか、そんな想像をします。だからこそ、違ったことを教えるようになってしまったのではないかと思うのです。自分の教えていることが分からなくなっていたのです。
私たちが知るべきことは、神様の愛です。神様の愛が分かっていれば、私たちは大丈夫です。
満ち足りる心を伴う敬虔こそが
パウロは、「違ったこと」を教える人々のことを、「敬虔を利得の手段と考える者たち」と説明しています。
「利得」とは「利益を得る」と書きます。「利得の手段」とは、簡単に言えば、お金儲けの手段です。違ったことを教えていた人々は、敬虔をお金儲けの手段と考えていました。お金を得るために、自分の利益のために、神様を恐れていたのです。
もちろん、お金のために神様を恐れることはあり得ないでしょう。敬虔であること、神様を恐れて生きることは、何か他の目的の手段にはならないからです。神様を恐れるとは、神様を神様として崇めることであり、神様を何か他の目的のために利用しないことです。
だからと言って、パウロは敬虔の利益そのものを否定しているのではないようです。パウロは、「満ち足りる心を伴う敬虔こそが、大きな利益を得る道」という言い方をしています。
6節は、口語訳では、「しかし、信心があって足ることを知るのは、大きな利得である」と訳されています。口語訳によれば、大きな利得とは、「信心があって足ることを知る」ことそのものです。神様を信じていて、神様を恐れていて、満足することを知っているならば、そのこと自体が大きな利益を得ていることなのだという理解です。
神様を恐れるとは、私たちの心の中心に神様をお迎えすることです。それは、神様によって、心が満たされることです。神様の愛で、心が満たされることです。できないことが多いかも知れない、持っていないものが多いかも知れない、しかし、神様が愛していてくださる、神様が共にいてくださる、だからこそ、満足するのです。そして、神様ご自身に満足する所では、妬む必要も、争う必要も、邪推する必要も、ありません。神様が愛していてくださるからです。神様が共にいてくださるからです。神様ご自身によって、満たされているのです。そして、神様に満たされて生きることが、私たちに開かれた救いの道であり、永遠の命の道であり、大きな利益を得る道です。大きな利益を得る道とは、神様に満足して生きる信仰生活そのものです。
私たちには様々な必要があります。しかし、私たちにとって、何よりも必要なのは神様ご自身です。そして、その神様が私たちを愛していてくださいます。神様は、私たちが気づく前から、私たちを愛していてくださいます。私たちを呼んでいてくださいます。
祈り
神様を信じることも、利益を得る手段としてしまうような私たちの罪深さを、改めて教えられます。しかし、そんな私たちすらも、あなたは愛していてくださいます。イエス様の死と復活を見つめながら、ただ神様を恐れ、神様を心の中心にお迎えして、神様に満たされて生きる者であらせてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。