説教音声・要旨 2024年3月31日(日)

  • 主日礼拝説教:2024年03月31日(日)
  • 聖書箇所:ヨハネの福音書21章1~14節
  • 説教題:さあ、朝の食事をしなさい

説教音声

暗証聖句

しかし、今やキリストは、眠った者の初穂として死者の中からよみがえられました。
コリント人への手紙第一15章20節

説教要旨

主イエスさまは先立ってくださる ともにいてくださる

 イエスさまは、私たちの罪の身代わりとして十字架にかかり死なれました。アリマタヤのヨセフらによって墓に葬られました。その三日目、主は復活されました。復活された主は弟子たちにお出会いくださいました。今朝お読みしました箇所では「イエスが死人の中からよみがえって、弟子たちにご自分を現されたのは、これですでに三度目である」と記されています。
 岸辺に立たれたイエスさま。しかし弟子たちはそれがイエスさまであることがわかりません。「二百ぺキス」ほどの距離であった、とあります。欄外の説明を見ると、約90メートルと書かれています。判別しにくい距離であったのか、あるいは別の理由によるものなのか。
 最初は分からなかったのですが、この一連の出来事ののち、弟子たちはそれが主であることが分かりました。分からない時があり、やがて分かるようになる時がある。主は、ここで弟子たちがイエスさまを分かるように導いてくださいました。弟子たちが分かるようになるために、主は何をなされたのか。神学の講義をされたのか。神であることの証拠をと、驚くような奇跡を起こされたのか。
 「さあ、朝の食事をしなさい」。
 主は炭火を起こし魚を焼かれました。主は食卓の準備をされたのです。そしてともに食卓を囲んでくださいました。それによって弟子たちは、それがイエスさまだと分かったのです。主であることを知った弟子たちに、改めて主は、パンを割いて配ってくださいました。そして魚も同じようにしてくださいました。魚を焼いてくださる主イエスさま。魚の焼ける匂い、それを復活の主がしていてくださる。イエスさまが分からない弟子たちのために、イエスさまご自身が調理をしていて下さる。弟子たちには、この主のお姿が忘れられなかったのだと思います。

主イエスさまは生きる道を示してくださる

 この出会いは弟子たちに、岸辺に立たれたお方が主であることを知らせただけではありませんでした。
 弟子たちは、すでに復活の主に出会っています。その出会いによって、力強く福音宣教に出発したかといえばそうではありませんでした。ペテロはいまテベリア湖畔に来て「私は漁に行く」といいました。するとほかの弟子たちも、私たちも一緒に行く、といい出しました。こうしてともに小舟に乗り込みます。ペテロ、そしてゼベダイの子たち、すなわちヤコブやヨハネは漁師でした。だから漁に行く、というのは分からないでもない。しかしそのほかの弟子たちは漁師ではありません。にもかかわらず皆が漁に行くのです。
 復活の主にすでに出会っているのだから、宣教に出発すればいいと思います。しかし彼らはそうはせず、漁に行くのです。いったい何をやっているのでしょう。ある先生は、何をすればいいかわからなかった、途方に暮れていたのだ、というようなことをある説教集で書いておられました。
 弟子たちは、何をすればいいかわからないままにとりあえず漁をするのですが、夜通し働いても何も捕れません。夜が明け始めてきました。あたりが明るくなると岸辺に見知らぬ人が立っているのが見えるようになりました。その岸辺に立たれた見知らぬ人から声がかけられました。「舟に右側に網を打ちなさい。そうすれば捕れます」。
 彼らはその言葉のままに網を打ちました。するとおびただしい数の魚が網に入りました。引き上げることができないほどです。喜びからでしょうか、彼らは魚の数を数えました。その数が153匹であったと記されています。
 トマスやナタナエルには、ただ不思議な出来事だったのだと思います。しかしペテロ、ヤコブ、ヨハネによっては、これは特別な出来事でした。
 「深みに漕ぎ出し、網を下ろして魚を捕りなさい」「そのとおりにすると、おびただしい数の魚が入り、網が破れそうになった」「恐れることはない。今から後、あなたは人間を捕るようになる」「彼らは舟を陸に着けると、すべてを捨ててイエスに従った」(ルカの福音書5章1~11節)。イエスさまに弟子として召された時の出来事が、そのままにここで起こっているのです。
 この復活の主との出会いによって、彼らは自分たちの召しを思い起こすことともなったのだと思います。
 主は私たちを祝福しようと、私たちが主を知らない時からすでに岸辺に立っていてくださいます。炭火を起こして食卓を備え、喜びの食卓を整えていてくださいます。私たちの心を開き、私たちの生きる使命が何であったのかを思い出させてくださいます。

祈り

 あなたは、先行きの見えない中にある弟子たちに、見知らぬ人として岸辺に立ってくださいました。炭火を起こして、食卓の準備をしていてくださいました。私たちが、あなたを知らずに歩むときにも、すでにあなたが私たちを祝福しようと、私たちのそば近くに立っていてくださいます。私たちの心の目が開かれるように、私たちをねんごろに導いてくださいます。さらには、私たちがどのように生きるべきであるのかを、思い起こさせてくださいます。すでに炭火を起こして待っていてくださる。先立っていてくださる。あなたを見失うことなく、新しい一週間に向かわせてください。

主日礼拝説教20240331-01
主日礼拝説教20240331-02

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