説教音声・要旨 2024年3月17日(日)

説教音声

説教要旨

主日礼拝説教:2024年3月17日(日)

聖書箇所:テモテへの手紙第一5章1~16節

説教題:やもめを大事にする

暗唱聖句

やもめの中の本当のやもめを大事にしなさい。

テモテへの手紙第一5章3節

説教要旨

◆身寄りのない本当のやもめは、望みを神に置いて

 テモテに委ねられたエペソの教会では、やもめが大きな問題になっていたようです。

 旧約聖書の律法で、やもめは、孤児や寄留者と共に、特別な配慮を必要とする存在として、規定されていました。なぜなら、聖書の時代に、夫を亡くした女性が一人で生きていくことは、極めて難しかったからです。聖書の時代のやもめは、誰かの助けなしには、生きていくことができませんでした。そして、だからこそ、神様はやもめとなった女性たちに特別な配慮を示しておられたのです。

 ただ、一言でやもめと言っても、置かれている立場や状況は様々だったようです。エペソの教会では、自立した自分の子どもや孫に助けてもらうことのできるやもめもいれば、完全に身寄りのないやもめもいました。パウロは、その身寄りのないやもめを「本当のやもめ」と呼んで、「身寄りのない本当のやもめ」が大事にされなければならないと考えました。もちろん、身寄りのあるやもめはどうでも良いということではありません。身寄りのあるやもめは、家族に委ねるのです。「あなたの父と母を敬え」という十戒の言葉にも合致していると言えるでしょう。パウロはすべてのやもめが大事にされることを願ったのです。それは、神様の願いでもあったことでしょう。神様こそがやもめを大事にされました。やもめだけが特別扱いされているのではありません。やもめを大事にされた神様は、一人一人を大事にされているのです。

 ところで、パウロは、「身寄りのない本当のやもめ」について、「望みを神に置いて、夜昼、絶えず神に祈りと願いをささげています」と言っています。身寄りのないやもめは神様に望みを置いています。神様だけが望みなのです。そして、その姿は、イエス様が山上の説教で語られた、「心の貧しい人」のイメージと重なります。

 イエス様の言われた「心の貧しい人」とは、自分の貧しさを知っている人のことです。自分で自分を支えることができない、だからこそ、神様だけを頼りとして生きる人です。それは、私たち信仰者の生き方です。

 私たちには身寄りがあるかも知れません。しかし、一人の罪人として、イエス様の十字架の前に出る時、私たちは、神様ご自身の恵みによってしか生きることのできない自分の貧しさに気づかされます。そして、同じ十字架の前で自分の貧しさを認める時、私たちは、貧しい罪人の自分が、神様に愛されて赦されている恵みを受け取ります。私たちは、身寄りのない本当のやもめと同じように、神様に望みを置いて、神様に支えられて生きるのです。

◆やもめを大事にする

 「やもめを大事にしなさい」とは、具体的にはどういうことなのでしょうか。新改訳2017の「大事にしなさい」という所は、以前の新改訳3版では、「敬いなさい」と訳されていました。

 「大事にする」と「敬う」とでは、意味がかなり異なるように感じます。もちろん、元のギリシア語は同じ言葉です。同じ言葉が、かつては「敬いなさい」と訳されていて、現在は「大事にしなさい」と訳されているのです。大事にすることと敬うことは、つながっていると言えるのかも知れません。逆に言うと、大事にすることが敬うことにつながっていなければ、大事にしているつもりで、実は大事にしていない、そんなこともあるのかも知れないと思わされます。

 やもめを大事にするというのは、単純にやもめの生活を支えるだけのことではないでしょう。ポイントは、やもめを一人の人として敬うことにあるのだと思います。やもめだけではありません。一人一人を、一人の人として敬うのです。逆に言うと、私たちは、一人の人として、敬われる時に、大事にされていると感じるのだと思います。そして、誰よりも、私たち一人一人を、大事にしていてくださり、敬っていてくださるのは、神様ご自身です。誰よりも、神様ご自身が、私たち一人一人を、一人の人として、敬っていてくださり、大事にしていてくださるのです。

 神様は至れり尽くせりのお世話をしてくださるのではありません。私たちのペースに合わせて、私たちと一緒に歩いてくださいます。私たちの意志や願いを尊重してくださいます。その上で、「ノー」は「ノー」と言ってくださいます。神様は、罪人に過ぎない私たち一人一人を、一人の人として、大事にしていてくださるのです。

 私たちを大事にしていてくださる神様の愛を受け取りながら、私たちもまた、神様との関係を大事にしたいと思います。そして、お互いを大事にすることができればと思います。

祈り

 やもめを大事にしなさいと命じられた神様ご自身が、私たち一人一人を大事にしていてくださる恵みを覚えて感謝します。新しい一週間も、あなたを見上げて生きることができますように、助けてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。

説教要旨(画像ファイル)

2024.3.17 東近江キリスト福音教会「礼拝」説教レジュメ-01
2024.3.17 東近江キリスト福音教会「礼拝」説教レジュメ-02

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