主日礼拝説教　2023年10月22日（日）

• 2023年10月22日（日）
• テモテへの手紙第一2章1～7節
• 説教題：すべての人のために

説教音声

暗唱聖句

神は、すべての人が救われて、真理を知るようになることを望んでおられます。

テモテへの手紙第一2章4節

説教要旨

何よりもまず勧めます

パウロは、教会の深刻な問題と向き合うテモテに、「何よりもまず」、「すべての人のために、王たちと高い地位にあるすべての人のために願い、祈り、とりなし、感謝をささげなさい」と勧めています。要するに、「祈りなさい」ということになるでしょう。パウロが、「願い」、「祈り」、「とりなし」、「感謝」という四つの言葉を用いているのは、祈りの様々な面を表現すると共に、祈りの大切さを強調するためと言えるでしょうか。何よりも、祈りが大切だということです。

人は祈ります。それは、クリスチャン以外の人も同じです。多くの人が、誰かに勧められてではなくて、教えられてではなくて、自然に祈りに導かれます。それは、人が、人を超えた存在を認めていることの証しと言えるのかも知れません。あるいは、祈りというのは、人が、人を超えた存在との交わりを持つ一つの手段と言えるのかも知れません。

教会では、祈りが積極的に勧められます。教えられ、命じられます。なぜなら、教会は、人を超えた存在が、誰であり、どのような方であるかを、はっきりと知っているからです。その人を超えた存在と共に生きることこそが、真の救いであり、私たちに与えられた何よりの幸いであることを、確信しているからです。

すべての人の贖いの代価として

パウロは、人を超えた存在、つまり、神様が唯一であることを証ししています。その神様は、キリスト・イエスを、ご自分と私たちとの唯一の仲介者としてくださいました。私たちは、真の神であり、真の人であるキリスト・イエスによってのみ、救われて、神様と共に生きることができるようになるということです。その救いの道は、キリスト・イエスが、すべての人の贖いの代価として、ご自分を与えてくださることによって開かれました。

贖いという言葉は、身代金を払って奴隷を買い戻すということからきています。神様は、身代金を払って奴隷を買い戻すように、罪の奴隷として、罪の支配の中にある私たちを、ご自分のものとして、買い戻してくださったということです。そして、その買い戻しの代価、身代金が、イエス様の命だということです。それは、私たちには、イエス様の命と等しい価値があることを示していると言えるでしょう。神様は、ご自分の御子イエス・キリストの命を与えるほどに、私たちを愛していてくださるのであり、私たちすべての人を価値のある者と見ていてくださるということです。そして、クリスチャンが祈るのは、その神様に向かってです。教会は、私たちを愛し、私たちの祈りを聞いていてくださる神様と共に生きることこそが、真の救いであり、何よりも幸いな人生であることを確信するからこそ、祈りを勧めて教えるということです。

王たちと高い地位にあるすべての人のために

パウロは、「すべての人のために、王たちと高い地位にあるすべての人のために」祈ることを勧めています。「すべての人」が「すべての人」であるならば、そこには「王たちと高い地位にあるすべての人」も含まれるでしょう。しかし、パウロは、わざわざ「王たちと高い地位にあるすべての人のために」という言葉を付け加えているわけです。

「すべての人」と言われると、具体的に「誰誰」ということが分かりません。あるいは、曖昧さの残る言い方と言ってもいいのかも知れません。そして、その「すべての人のために」という曖昧さが残る言い方の抜け穴でも見つけるように、私たちは、「すべての人」の中から、特定の誰かを除外したりすることはないでしょうか。

「王たちと高い地位にあるすべての人」というのは、当時においては、教会を迫害して苦しめる存在だったと言えるでしょうか。一言で敵と言ってもいいのかも知れません。そうであるならば、敵のような「王たちと高い地位にあるすべての人」のために祈るというのは、決して簡単なことではなかったでしょう。しかし、その「王たちと高い地位にあるすべての人」のためにも祈ることを、パウロは付け加えているということです。「すべての人のために祈りなさい、そこには、王たちと高い地位にあるすべての人も含まれているんですよ」ということです。

神様はすべての人が救われることを願っておられます。だからこそ、私たちはすべての人のために祈ります。

祈り

あなたは、すべての人の救いを願ってくださって、そのためにイエス・キリストを贖いの代価として与えてくださいました。だからこそ、私たちが救われていることを覚えて感謝します。そして、そこには多くの人の祈りがあったことも覚えて感謝します。新しく始まった一週間の歩みにおいて、私たちもまた、あなたの愛を覚えながら、祈る者とならせてください。あなたが愛しておられるすべての人の救いのために、私たちの祈りを用いてください。主イエス・キリストの御名によって祈ります。