●『愛と自由のことば』より(25)

「虹には必ず雨の背景があります。虹そのものがこれを表現しています。即ち注意して見ますと、虹の外側の空はその内側よりも一層暗いのであります」〔藤井武〕

 無教会独立伝道者・藤井武の言葉。

 梅雨が明け夏本番という時期ですが、各地では大雨の被害が続いています。被災された方々、懸命の作業に当たる方々のために祈ります。

 先日夕刻に散歩に出た際、雨の後の青々ときらめく田んぼの彼方に虹を発見しました。半分だけの虹でしたので、地から切り立つような虹でした。なぜかうれしい気持ちにさせてくれました。

 虹は空気中の水分が太陽光に照らされてできる気象現象ですが、虹が虫偏なのは古代虹を竜に見立てたことからだそうです。虹に恐ろしいものを連想したのでしょうか。しかし聖書に親しむ者としてはノアへの約束の虹のようにむしろ明るい希望をそこに見ました。

 虹が雨の背景を持っているように希望は苦しみの背景を持っています。雨の経験が神さまとの真実の出会いをもたらします。苦しみや悲しみの経験が虹のような希望を生み出すのです。