●『今日のパン、明日の糧』(ヘンリ・ナウエン)より(13)

「自分自身を知るというのは、自分を分析することではありません。」

 「心理学」などという学問があるのですから、心を「科学」の力をもって理解する時代を私たちは迎えています。しかし自分自身を知るということを、物質の成分を分析するようにしようとするのならば、本当に自分を知ることには至らないのです。
 信仰の告白をしたときに、私たちの心の王座にはイエスさまにお座りいただきました。それまでは私の中心には私自身がいたのですが、この信仰告白以降、私たちの中心にはイエスさまがいてくださるのです。ですから、自分自身を知るためには、神さまを知るように知らなければなりません。神さまを知るためには、崇めること、感謝すること、賛美することが必要です。もちろん私たちはどこまでも罪人なのですが、そんな罪人である私の中心に神さまがお住み下さったことを感謝し、その神さまを崇め、賛美すること。そうしてはじめて真実の自分自身に出会うことが出来るのです。
 いろいろな問題にぶつかる時、自分の心の中を見つめます。私たちはそこで「分析」します。ある程度は分析によって解決に導かれるでしょう。しかし本当の助けは、そこで心をしずめて祈り、イエスさまを礼拝し、イエスさまへの感謝と賛美をいただくのです。そうしてイエスさまのものとされた真実の自分を発見し、起こっている問題の正しい見方ができるようになり、豊かな解決の道が開かれるでしょう。たとえ問題自体は解決しなくとも、生きる力をいただくことが出来るでしょう。


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