●『今日のパン、明日の糧』(ヘンリ・ナウエン)より(11)

「二人あるいは何人かの人々の作り出すよい関係は・・・客人が友となっていけるような場を作り出します。よい関係は他の人にも開かれているものです。」

 争いのある所というのは居心地の悪いものですね。出来ることならそういう場から、一刻も早く立ち去りたいと願います。しかし簡単にその場を去ることの出来ない事情の中に置かれていますので、ますますその苦しみは深く複雑なものになっていきます。
 争いの中に置かれると、そこを訪ねた者は、すぐにどちらかの側につくのを迫られるとナウエンは言います。それが苦しみを生み出すのだ、と。どちらかにつくということは、その反対の側と敵対するということです。敵対することになる相手も本来は敵対せずにいたい存在ですから、その心には複雑な苦しみが生まれるのも当然でしょう。どちらの側にもつけず、ただ黙って嵐が過ぎるのを待つか、あるいは身体がそこにあったとしても、もはや心はどこかに行ってしまいます。
 よい関係は、そこに来た者に対して、だれの側につくことも強要しません。そこにいるみんなと平和な関係にいることが出来るのです。誰とも敵対しなくて済みますから、安心していることが出来ます。よい関係は、他の人にも開かれているのです。よい関係のある場所を訪ねる人は、そこに喜びと平安を見出します。そのような居場所づくりは平和への一歩となるでしょう。(使徒2:46,47)


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