●『今日のパン、明日の糧』(ヘンリ・ナウエン)より(9)

「探している宝物をみつけるために、遠くへ行く必要はありません。私たちがいるまさにその場所に、美しさ、良さはあります。」

 神さまは私たちと共にいて、美しいもの、良いもの、素晴らしいものを備えていてくださいます。しかし私たちの心の状況によっては、その素晴らしいものを発見することが出来ません。何が目をくもらせているのか。なぜその素晴らしいものが見えないのか。ナウエンは続いてこう語りました。

「私たちには、周りにあるあらゆる美しいものや良いものを自分のしたいことに役立つ知識として集めておきたいという誘惑があります。しかしそうすると、集めたものを楽しむことが出来なくなってしまいます。」

 私たちの目に素晴らしいものが見えなくなっているのは「自分のしたいことに役立つ知識」として集めようとするからです。教育も、財産も、あるいは家族さえも「自分のしたいことに役立つ」ものとして、その存在価値を認めているだけならば、そこに素晴らしさを発見することが出来なくなってしまうのです。
 素晴らしさを発見するためには、それが「神さまのためのもの」あるいは「神さまに向かって存在しているもの」としてとらえなおすということではないかと思います。神さまが必要と思い、神さまがお許しになって存在しているものなのだ、神さまはどのようにご覧になっておられるだろうか、と再確認することによって、いままで気づくことのなかった素晴らしさを発見することができるのです。


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